働き方は多様化している
無意味な規制や自粛を生んでいるのは、仕事に対する熱心な姿勢や「万が一にも誰かを傷つけてはいけない」という善良さに他なりません。それがしばしば、別の誰かを傷つけたり世の中を窮屈にしたり守ろうとしたはずの当事者を侮辱することになったりします。
せっかくの熱心さや善良さは、有効に活用してもらいたいもの。規制や自粛という形でエネルギーを使うのではなく、わけのわからないイチャモンを受けたときにどう対応するかを考えましょう。ただ、相手はなんせわけのわからないことを言い出す人なので、理路整然と反論してもきっと話は通じません。
電話でのクレームの場合は、言いたいことを全部言ってもらったら、心を込めているような口調で「貴重なご意見、ありがとうございます」と感謝しておきます。「なるほど、気付きませんでした。あらためて検討してみます」と相手を持ち上げておくのも一興、もちろん、あらためて検討する必要はまったくありません。
「なんか言いたいだけ」の人に付き合うな
メールでクレームを受けたときも、基本は「貴重なご意見、ありがとうございます」でOKです。「よくそんな発想ができるな」と感じる突飛な意見だったとしても、未知の世界を見せてくれた「貴重な意見」であることには違いありません。
もちろん、常に頭の片隅で「本当にこの表現は誰かを傷つけてはいないか」と慎重に考えることは大切ですが、同時に「何を言っても何をやっても文句を言ってくる人はいる」と開き直ることも大切。それが本当の意味での仕事熱心さです。上司などの責任者も、クレームがありそうとかあったとかで部下を責めるのではなく、自分の良識と常識で「問題ない」と判断しましょう。それが責任者の仕事です。
何かを始めたりチャレンジしたりするときに、クレームがきそうかどうかや誰かに文句を言われないかどうかを「やるやらない」の判断基準にするのは、もうやめましょう。「なんか言いたいだけ」の人に付き合う必要はありません。そして自分自身も、相手がおとなしく聞いてくれるからと図に乗って、「なんか言いたいだけな人」にならないように気をつけたいもの。けっこう甘い誘惑だけに、「自分は大丈夫」という油断は禁物です。
