国際情報

中国の地方政府が新婚女性に妊娠しているかと電話確認 出生率の向上に躍起

地元の地方政府から「妊娠していますか」などと電話で尋ねられたという人も

地元の地方政府から「妊娠していますか」などと電話で尋ねられたという人も

 中国の新婚女性が地元の地方政府から「妊娠していますか」などと電話で尋ねられたというエピソードがSNSに投稿され、ネットユーザーから数万件のコメントが集まるなど大きな反応を呼んでいたことが分かった。

「同じような電話を受けた」との書き込みも多く見られたが、これらの書き込みは数時間後に削除されたという。中国政府は人口増の必要性を強調しており、各地方政府に出生率の向上を指示しているとみられる。ロイター通信が報じた。

 この女性は江蘇省南京市在住で、結婚から1年経った今年10月下旬、江蘇省・南京市の女性健康サービス当局から突然、電話があり、「南京市政府は、新婚女性が結婚1年以内に妊娠することを希望しており、今後、3カ月ごとに電話をします」と告げられたという。

 女性は「妊娠するまで、3カ月ごとにずっと電話がくると思うとぞっとする」などと中国のSNS「微博(ウェイボー)」にコメントした。

 これに対して、同じような体験をした女性から「私のところにも電話があった。どうやって調べるのかしら。気味が悪い」とのコメントや、「人権侵害だ」「子供を増やしたいならば、教育費の援助などの政策面でバックアップすべきだ」などとの書き込みがあった。

 ロイター通信が南京市政府や、中国政府の中で人口問題を管轄する国家衛生健康委員会に問い合わせたが、コメントの要請に応じていないという。

 中国では「一人っ子政策」を2015年まで継続していたが、人口減少が顕著になり、2024年には60歳以上の人口比率が全人口の2割にも上昇し、今年の出生数は昨年の1060万人から1000万人を割り込むとみられている。このため、若い世代1人で老年世代2人を支えるという状況が現実化しており、大きな社会問題になっている。

 中国共産党の習近平総書記は10月に開かれた第20回党大会で、出生率を引き上げる政策を確立すると表明しており、中央政府が地方政府に人口増のノルマを課しているとの見方も浮上している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
舞台『シッダールタ』での草なぎ。東京・世田谷パブリックシアター(~2025年12月27日)、兵庫県立芸術文化センター(2026年1月10日~1月18日)にて上演(撮影・細野晋司)
《草なぎ剛のタフさとストイックさ》新幹線の車掌に始まり、悟りの境地にたどり着く舞台では立見席も
NEWSポストセブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
「異物混入」問題のその後は…(時事通信フォト)
《ネズミ混入騒動》「すき家」の現役クルーが打ち明ける新たな“防止策”…冷蔵庫内にも監視カメラを設置に「なんだか疑われているような」
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン