《26年前にサンタモニカの病院で産声をあげた日をいまでも昨日のことのように覚えています。ママはまっけんが笑ってくれればいい。元気で生きてくれれば、それだけで充分です》──会場で母親の手紙が読み上げられると、この日の主役である新田真剣佑(26才)は照れ笑いを浮かべながらタオルで涙を拭った。
11月16日、真剣佑の誕生日に都内で行われたファンミーティング。サプライズが起きたのはイベント終了直後のことだった。参加したファンが明かす。
「会場が暗転した途端、舞台袖から弟の郷敦さんが花束を持って現れたんです。映画やドラマでも共演したことのない兄弟のツーショットに客席は大盛り上がり。多忙なスケジュールを縫って駆けつけてくれたことに感激した真剣佑さんは『すごい!』『うそでしょ』とステージの上を飛び跳ねていました」
プロのサックス奏者を目指していた真剣佑の弟・眞栄田郷敦(22才)が、役者に転向したのは約3年前。兄の出演作を見て感銘を受けたことがきっかけだったという。2人の息子が自分と同じ道に進んだことを誰よりも喜んだのは、昨年8月に亡くなった父親の千葉真一さん(享年82)だった。一家の知人が振り返る。
「千葉さんは、お子さんたちに役者をやれと言ったことは一度もありません。郷敦さんが役者の道に進むか迷っているとき『やってみよう』と背中を押したのは真剣佑さんです。郷敦さんは千葉さんのもとで厳しい修業の日々を送り、発声練習の基本からみっちり叩き込まれていました」
独特な雰囲気を持つ演技派の俳優として頭角を現した郷敦は、今年も立て続けに話題作に出演している。