スポーツ

九州場所で照強が15戦全敗 31年前の「前例」に実況アナ、北の富士、舞の海が触れなかったワケ

大相撲の歴史上でも珍しい15戦全敗を喫してしまった照強(時事通信フォト)

大相撲の歴史上でも珍しい15戦全敗を喫してしまった照強(時事通信フォト)

 大相撲九州場所は12勝3敗で並んだ貴景勝、高安、阿炎による優勝決定巴戦に。優勝したのは西前頭9枚目の阿炎だった。7月の名古屋場所の逸ノ城、9月の秋場所の玉鷲に続く3場所連続の平幕優勝となるのは史上初のこと。年間を通じて平幕優勝3回も初めてのことだった。そうしたなかで、もうひとつの「異例の事態」が起きていたが、NHKの相撲中継では奇妙な“気まずい空気”が流れたのだった。

 九州場所は千秋楽を終え、2022年の大相撲は幕を閉じた。57勝で年間最多勝となったのは関脇の若隆景。年6場所制となった1958年以降で関脇以下が年間最多勝となるのは1960年の大鵬、1992年の貴花田、2019年の朝乃山以来3年ぶり4度目。横綱、大関で最多の勝ち星を挙げたのが貴景勝の50勝だった。

 この1年、横綱・大関が責任を果たしていなかったことを示すデータばかりだが、カド番大関の正代が負け越し、大関を陥落した御嶽海が復帰できなかったことで、来場所は1横綱、1大関の異例の番付となる。さらに平幕優勝が続く可能性もある。

 そうしたなかで巴戦まで優勝がもつれた千秋楽で、注目された一番がある。幕尻の東前頭16枚目・照強の取組である。豪快な塩まきで館内を沸かせる人気力士だが、今場所は初日から黒星続きで、千秋楽も逸ノ城に上手投げで敗れて15戦全敗となった。

 一場所で15戦全敗は過去4人しかいない不名誉な記録だが、NHKの相撲中継ではアナウンサーが「過去に前例がないわけではありませんが……」と言葉を濁し、正面解説の北の富士氏は「全勝より(全敗は)ずっと難しいからね。ショックだろうね」と話すにとどまった。向正面解説の舞の海氏は、15戦全敗についてのコメントがなかった。

 それには理由があるとみていい。31年前に1991年名古屋場所でこの記録を作ったのが、八百長の仲介役「中盆」として知られた板井圭介氏(2018年死去)だったのだ。板井は年寄・春日山を襲名する予定だったが、協会が襲名を認めず廃業となっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

日本のブライダルファッションの先駆け的存在、桂由美さん
《芸能人も多数着用》桂由美さんが生前嘆いていた「ナシ婚」 ウエディングドレスで「花嫁を美しく幸せにしたい」強い思い
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
小野寺さんが1日目に行った施術は―
【スキンブースター】皮下に注射で製剤を注入する施術。顔全体と首に「ジュベルック」、ほうれい線に「リジュラン」、額・目尻・頰に「ボトックス」を注入。【高周波・レーザー治療】「レガートⅡ」「フラクショナルレーザー」というマシンによる治療でたるみやしわを改善
韓国2泊3日「プチ整形&エステ旅行」【完結編】 挑戦した54才女性は「少なくとも10才は若返ったと思います!」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン