二枚目のルックスで活躍した志垣太郎さん(1972年)
2021年1月には都内で車を運転中に軽ワゴンと衝突する事故を起こしたと報じられたが、安否を問う知人らからの連絡に、不安定な気持ちを吐露したこともあったという。お金や仕事の悩みを抱える志垣さんを陰で支えたのは、家族だった。以前より手狭になった部屋で、妻と息子と一念発起しようとした矢先に不幸が訪れた。
見上げれば、かつて志垣さんが住んでいたタワーマンションが目に入る。都内の下町情緒あふれる街にたたずむ家から静かに出てきたのは、志垣さんの一人息子、匠だった。志垣さんの最期を、こう明かした。
「亡くなったのは3月5日です。地方に滞在中に、体調に変化を感じたようで……その後に急変したそうです。死因は心不全で、私と母が駆け付けたときには、もう息を引き取った後でした。いまは母を支えるために芸能界を引退し働いて、前に進もうとしています。いまの私は父の愛する母を守ることが使命ですので……」
晩年、志垣さんにとってはうまくいかない日々が続いていたかもしれない。彼のもがき苦しむ姿を見ていた親族や友人たちが、あまりに突然の死を悼むために、ある程度の時間が必要だったのだろう。これから、志垣さんを知る多くの人たちの追悼の時間が始まる。
※女性セブン2023年1月1日号