2019年には親子で『徹子の部屋』に出演(匠のインスタグラムより)
しかし、50年前の志垣義経は、「牛若(義経)は武門の子ぞ、源氏の子ぞ」「必ず母上をお救いしてみせる」と、出てくる言葉も文語調。いざ、戦ともなれば鎧兜をキラキラさせた五月人形まんまのきらめき武将姿で、壇ノ浦では敵方の舟へとひらりと飛び移る。まさに絵巻物の世界から飛び出してきた義経を体現してくれたのだった。
義経のイメージは、こうして作られ、守られてきた。だからこそ、今年の義経に「過去の人物像と互い過ぎる」とみんなどひゃーっと驚き、注目度もどんどんアップしたのである。
志垣さんは、今ではコメディ以外ではほとんどドラマに出てこない“浮世離れした二枚目”“少女マンガにでてくるような憧れの君”を堂々と濃いめに演じた方だった。茅野隆二も義経も、日本のドラマ史にずっと残り続けるはずだ。