古本にトコジラミが潜んでいることも(イメージ)
「こことか痕になっちゃってます。私はアレルギー持ちだったので少し発熱もしました。仲介した不動産屋に話して、割高でしたが別のマンションに引っ越しました」
理解ある不動産屋だったそうで、トコジラミの話と無数に刺された痕を見せると納得してくれたという。不動産屋の営業マン曰く「オーナーに伝えるが、もし駆除するとしたら大規模になるだろう」と話していたとのことで、それほどまでにトコジラミはやっかいだ。東京都福祉保健局によれば、
〈家で増殖した場合の駆除が困難
* メスは、1日に5~6個(生涯では200~500個)の卵を産みます。
* 卵は、約1週間(5~11日)でふ化して幼虫になり、1~2か月で成虫になります。
* トコジラミが家に持ち込まれると、比較的短期間で数が増え、家の中に広がります。家中に広がると駆除が困難になります。〉
とのことで、トコジラミの駆除は素人では難しく、保健局も専門の駆除業者を呼ぶことを推奨している。
ちなみに彼はその後、別のマンションに移ったが、なんとそこにもトコジラミがいた。
「本当に馬鹿なことをしたと思っているのですが、荷物と一緒についてきたようです。カバンか、服か、ダンボールかわかりませんが、本当にノイローゼになりました。
事情を話してそこでは即、業者による殺虫駆除、荷物の大半は処分になったそうだがトコジラミ、本当に怖い。
ホテル、ネットカフェ、劇場、サウナ、珍しい例では電車のシート
そのトコジラミと実際に対峙する、害虫駆除業者のベテラン作業員にも話を聞いた。
「トコジラミはやっかいですよ。施設にもよりますが大規模な作業になりますし、金額もかかります。病院やホテルでは数千万円かかった話もあります」
実際、池袋保健所によれば総合病院で数千万円かかった事例が報告されている。東京都福祉保健局もまた、「病室の1室でトコジラミを発見しすぐ駆除したが、1年後には11部屋、2年7ヶ月後には67部屋に広がった」という事例を『トコジラミQ&A』という冊子で紹介している。駆除に失敗して多額の損失を出した例もある。