芸能

山本耕史の“ヤバい”魅力 かくして堀北真希も香取慎吾も「落ちた」

『ひとつ屋根の下』のイメージは一変した(時事通信フォト)

『ひとつ屋根の下』のイメージは一変した(時事通信フォト)

 ついに最終回を迎えたNHK大河『鎌倉殿の13人』。約1年の放送期間中、個性あふれる登場人物が現れては、権力闘争などを通じて退場していったことも大きな話題となった。そうしたなか、主人公・北条義時を演じた小栗旬の傍に、最初から最後まで寄り添ったのが、山本耕史演じる三浦義村だ。作中、筋肉隆々の上半身を披露したことも注目の的だった。2022年に目覚ましい活躍ぶりだった山本について、ドラマオタクのエッセイスト・小林久乃氏が綴る。

 * * *
 今年、テレビドラマでよく山本耕史さんの姿を観た気がする。それも思い返すと、彼の表情はいつも一定である。斜に構えて、眉間に皺を寄せて、何やら良からぬことを考えていそうな雰囲気。そして白い艶肌ながらも、ボディビルダーの域に到達しそうな完成された肉体美。これが近年の彼のイメージだ。

 はて。だいぶ古臭い話になるけれど、私の中で「山本耕史=車椅子の優しい少年」というイメージが染み付いていた。『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系列・1993年)の末っ子・文也役である。あんちゃんと再会をして号泣、得意の絵をうれしそうに描く……といったシーンが脳裏に焼きついていただけに、昨今の山本さんはどうも別人のようである。

胡散臭い役が続いた2022年

 2022年、彼をよく観たと記憶されている理由に『鎌倉殿の13人』(NHK総合)で演じた、三浦義村(通称・平六)役の影響は多分にある。この役、初っ端から胡散臭かったのを覚えている。北条義時(小栗旬)の友人という設定でありながら、北条家、坂東武者、源氏一門……と本作における、あらゆるセクションに顔を出す。時には揉め事にも顔を突っ込む。「え……ひょっとして、この人がフィクサー……?」と、何度も暗躍ぶりを疑ったこともあった。

 冒頭で山本さんの最近のイメージだと書いた通り、平六はいつも何かを企み、人を簡単には信用しないとバリアを張る。そして隙あらば、上半身裸体となって弓の練習(?)をしていた。ただ次から次へと出演者が亡くなっていく、波乱の『鎌倉殿の13人』において、初回から最終回まで生き切った。やはり、平六は小四郎(義時)の盟友だった。

 2022年における、山本さんの胡散臭い役柄は1作品で終わることはない。『競争の番人』(フジテレビ系列・2022年)でのゲスト出演は、ホテル経営者でありながら、裏社会でも生きる天沢雲海を演じていた。要はこちらも胡散臭い役で幕引き。最終回が間近に迫った『クロサギ』(TBS系列)ではシロサギの白石陽一を演じている。連続ドラマの中盤から登場して、いつも好タイミングでクロサギの黒崎高志郎(平野紫耀/King & Prince)に手を貸す。やはりいつも不機嫌そうで、文也役のように邪念のない笑いを見せることはなく、2022年が終わろうとしている。

関連記事

トピックス

渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》週刊ポストが1年前に託された最後のメッセージ「私の人生は野球に始まり、これからも常に野球とともにあります」
週刊ポスト
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
長嶋茂雄さんとの初対戦の思い出なども振り返る
江夏豊氏が語る長嶋茂雄さんへの思い 1975年オフに持ち上がった巨人へのトレード話に「“たられば”はないが、ミスターと同じチームで野球をやってみたかった」
週刊ポスト
元タクシー運転手の田中敏志容疑者が性的暴行などで逮捕された(右の写真はイメージです)
《泥酔女性客に睡眠薬飲ませ性的暴行か》警視庁逮捕の元タクシー運転手のドラレコに残っていた“明らかに不審な映像”、手口は「『気分が悪そうだね』と水と錠剤を飲ませた」
NEWSポストセブン
金田氏と長嶋氏
《追悼・長嶋茂雄さん》400勝投手・カネやんが明かしていた秘話「一緒に雀卓を囲んだが、あいつはルールを知らなかったんじゃないか…」「初対決は4連続三振じゃなくて5連続三振」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン
「秀才」に突然訪れた“異変”の原因とは(イメージ)
中受で超難関中高一貫校に入学した「秀才」に突然訪れた“異変”の原因とは「腹痛と下痢を繰り返し、成績は最下位クラス…」《エリートたちの発達障害》
NEWSポストセブン
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平が帰宅直後にSNS投稿》真美子さんが「ゆったりニットの部屋着」に込めた“こだわり”と、義母のサポートを受ける“三世代子育て”の居心地
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
NEWSポストセブン