2020年に実施された住民投票で、再び大阪都構想は否決された。記者会見で引退を表明した松井一郎・大阪市長(撮影:小川裕夫)

2020年に実施された住民投票で、再び大阪都構想は否決された。記者会見で引退を表明した松井一郎・大阪市長(撮影:小川裕夫)

地方選にも国政選挙並みの関心を

 統一地方選は、こうした各地域の課題を戦わせる場となる。普段、私たちが”政治”と聞いて抱くイメージは、国政が大半だろう。出身地や居住している自治体以外の知事選や市長選に興味を抱く人は少ない。そもそも興味を抱いたところで投票できないから、興味を示す必要性を感じないという意見も首肯できる。

 しかし、投票権がないからといって、各地の選挙に関心を示さなくていいのか?と言えば、答えはNOだ。先述した川勝知事は、リニアの工事を認めていない。それがリニア開業予定を遅らせることになった。リニアは静岡県民だけの問題ではないはずだ。

 ほかにも原発再稼働をめぐっては、原発立地県の知事が大きな裁量を持っている。原発はエネルギー問題だから、その再稼働や新設・廃炉は全国民に関係のある政治課題と言えるだろう。このような全国に影響を及ぼす地方の政治課題は無数にある。

 権限が強化された知事や市長は、近年になってテレビやSNSでも存在感が際立つようになった。知事や市長の発信力によって、普段は光が当たらない地方選に関心が高まることは喜ばしい話だろう。

 しかし、目立つ政治家が必ずしもあなたにとっていい政治家とは限らない。地道に地元を回り、住民たちの困りごとに耳を傾ける。そして、繰り返し議会で改善を要求する。一気呵成に政策が実現することはなくても、訴え続けることで住民の問題意識が変わり、地域がよくなっていくこともあるだろう。そうした地道な活動は、どうしても目立たない。

 目立つ政治家の声は、耳に入りやすい。それは単に顔を知っているから話を聞いてもらいやすいというだけに過ぎない。選挙は顔見知りを押し上げるものではないのだ。

 都道府県の知事選・議会議員選挙や市町村長選・議会議員選挙の投票率は、どこの自治体も総じて低い傾向にある。有権者の関心が薄いだけではなく、立候補者も少なくなっている。近年は無投票当選が増えてきた。無投票当選では、有権者が立候補者の人柄や政策を吟味できず、地域の課題を議論して政策を深めることも叶わない。

 地方自治体、とりわけ私たちとの距離が近い市町村の政治は目立つことがない。それにも関わらず、それらの選挙結果は私たちの暮らしに影響を及ぼす。特に、上下水道や道路、学校や病院といった生活インフラの整備は、首長による裁量が大きく物を言う。

 こうしたことを踏まえれば、地方選も疎かにすることはできない。国政選挙並みの関心を寄せてほしい。そして、一票を投じてもらいたい。

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