2019年2月、市長として2期目の任期満了直前に、部下への暴言問題の責任を取り辞職の意向を記者団に説明し涙を拭う兵庫県明石市の泉房穂市長。3月の出直し選挙は圧勝、4月の任期満了に伴う市長選は無投票で4選した(時事通信フォト)

2019年2月、市長として2期目の任期満了直前に、部下への暴言問題の責任を取り辞職の意向を記者団に説明し涙を拭う兵庫県明石市の泉房穂市長。3月の出直し選挙は圧勝、4月の任期満了に伴う市長選は無投票で4選した(時事通信フォト)

 2020年に再び大阪都構想の住民投票を実施したが、前回と同じく否決という結果に終わった。その結果を受け、松井市長は政界からの引退を表明。市長職のみならず、大阪維新の会や国政政党である日本維新の会の代表からも退く。

 筆者は2011年に実施された大阪府知事選・大阪市長選のW選から、松井候補を取材してきた。2011年のW選の時点では松井候補の知名度は決して高いとはいえず、市内での街頭演説は高い人気を誇る橋下候補と一緒に回り、その人気に依存していることは誰の目にも明らかだった。

 とはいえ、松井候補は府知事選に立候補しているわけだから、大阪市外でも選挙活動をしなければならない。その際は、橋下候補なしの街頭演説になる。

 また、市内でも一人で演説することがあった。私はその場に居合わせたことがあるが、松井候補が駅前で演説を始めても誰一人として足を止めない。取材している報道陣も私一人だけという状況だった。松井候補の演説は言葉少なめで、橋下候補の演説のように立板に水という印象はない。随所にぎこちなさも感じられ、今の松井市長からは想像できないような街頭演説だった。

 2023年春の大阪市長選は、その松井市長の次を決める選挙になるわけだが、その結果は少なからず国政政党である日本維新の会の今後にも影響を及ぼすだろう。それが、注目される一因でもある。

暴言などで引退を決意した現市長が候補を送り出す明石市長選挙

 注目される地方選は、ほかにもある。そのひとつが、兵庫県明石市の市長選だ。現職の泉房穂市長は、2003年の衆議院議員選挙に民主党から立候補。選挙区では敗北したものの、比例復活を果たした。小泉旋風が吹き荒れた2005年の衆院選は、公明党候補を相手に落選。比例復活すら叶わなかった。

 その後は国政選挙に出馬せず、2011年の明石市長選に出馬して当選。市長就任後は子育て支援政策を次々と打ち出し、明石市が2018年に中核市へ移行すると児童相談所の開設を積極的に推進した。

 児童相談所は児童虐待や家出した少年・少女を保護する行政機関で、都道府県と政令指定都市は必置となっている。それ以外の自治体は児童相談所が設置できなかったが、2006年に児童福祉法が改正されたことにより、中核市も設置できるようになった。

 設置できるようになったとはいえ、当時は全国に54市ある中核市のうち、神奈川県横須賀市と石川県金沢市の2市だけしか児童相談所を設置していなかった。中核市になった明石市は3市目として名乗りをあげ、2019年に開設へと漕ぎ着けている。

関連記事

トピックス

被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
体調を見極めながらの公務へのお出ましだという(4月、東京・清瀬市。写真/JMPA)
体調不調が長引く紀子さま、宮内庁病院は「1500万円分の薬」を購入 “皇室のかかりつけ医”に炎症性腸疾患のスペシャリストが着任
女性セブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
1980年にフジテレビに入社した山村美智さんが新人時代を振り返る
元フジテレビ・山村美智さんが振り返る新人アナウンサー社員時代 「雨」と「飴」の発音で苦労、同期には黒岩祐治・神奈川県知事も
週刊ポスト
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
【視聴率『愛の不時着』超え】韓国で大ヒット『涙の女王』 余命宣告、記憶喪失、復讐など“韓国ドラマの王道”のオンパレード、 華やかな衣装にも注目
【視聴率『愛の不時着』超え】韓国で大ヒット『涙の女王』 余命宣告、記憶喪失、復讐など“韓国ドラマの王道”のオンパレード、 華やかな衣装にも注目
女性セブン
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
タイトルを狙うライバルたちが続々登場(共同通信社)
藤井聡太八冠に闘志を燃やす同世代棋士たちの包囲網 「大泣きさせた因縁の同級生」「宣戦布告した最年少プロ棋士」…“逆襲”に沸く将棋界
女性セブン