ライフ

テレビにいま起きていること 危機を招いた原因は「コンテンツの弱さ」か、「ハード面の遅れ」か

(写真/アフロ)

テレビはかつての面白さを取り戻せるのか(写真/アフロ)

 1953年2月1日、NHKが日本初の地上波テレビ放送を開始。瞬く間に白黒テレビは普及し、ほどなくカラーテレビは3C(新・三種の神器)としてもてはやされた。以来、生活に欠かせない“最強メディア”として長らくその頂に君臨していたテレビはいま、かつての輝きを失ってしまった。インターネットの隆盛などで「テレビ離れ」が指摘されて久しい。2019年にはインターネット広告費がテレビを超え、芸能人の中にもテレビを離れYouTubeなどに活路を見出す人が現れている。再びテレビはかつての輝き、面白さを取り戻せるのか──。

 1953年に本放送が始まったテレビは、1959年の上皇さまご成婚をきっかけに一気に普及。1960年からはカラー放送が開始され、『シャボン玉ホリデー』(日本テレビ・1961〜1972年)や『夢であいましょう』(NHK・1961〜1966年)などのバラエティー番組がスタートした。1970年代は『8時だョ!全員集合』(TBS・1969〜1985年)や『欽ちゃんのドンとやってみよう!』(フジテレビ・1975〜1980年)といったファミリー向け“お化け番組”がお茶の間を沸かせた。

 1980〜1990年代になるとバブル景気の勢いにのって、テレビの主役は若者へ。『オレたちひょうきん族』(フジテレビ・1981〜1989年)や『笑っていいとも!』(フジテレビ・1982〜2014年)、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ・1985〜1996年)、『とんねるずのみなさんのおかげです』(フジテレビ・1986〜1997年)、『志村けんのだいじょうぶだぁ』(フジテレビ・1987〜1993年)、『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』(フジテレビ・1989〜1992年)など、豪華なセットで思い切り派手なことをするバラエティーが主流となった。

中高年偏重放送から若者向け放送へ

「2020年から全国的に“個人視聴率”がビジネス指標になり、各局の番組作りがガラリと変わりました」

 こう話すのは、メディアコンサルタントの境治さん。

 これまで視聴率といえば“世帯視聴率”を指していたが、個人視聴率では視聴している人の年齢や性別がわかる。たとえば1つの番組について、F3層(50才以上女性)には15%も見られているけど、F1層(20〜34才)には2%しか見られていない、ということまでわかるという。

「これを利用していち早くコア視聴率を取り入れていたのが日本テレビです。2004年頃からコア視聴率を導入し13〜49才をターゲットとして定義しました。スポンサーは効率よく広告を打てた方がいいので、視聴者層がわかれば当然出稿量も増加します。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ・2007年〜放送中)は看板番組となり、2011年からは世帯視聴率でも局として1位になりました」(境さん)

関連記事

トピックス

「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
2人は互いの楽曲や演技に刺激をもらっている
羽生結弦、Mrs. GREEN APPLE大森元貴との深い共鳴 絶対王者に刺さった“孤独に寄り添う歌詞” 互いに楽曲や演技で刺激を受け合う関係に
女性セブン
無名の新人候補ながら、東京選挙区で当選を果たしたさや氏(写真撮影:小川裕夫)
参政党、躍進の原動力は「日本人ファースト」だけじゃなかった 都知事選の石丸旋風と”無名”から当選果たしたさや氏の共通点
NEWSポストセブン
セ界を独走する藤川阪神だが…
《セの貯金は独占状態》藤川阪神「セ独走」でも“日本一”はまだ楽観できない 江本孟紀氏、藤田平氏、広澤克実氏の大物OBが指摘する不安要素
週刊ポスト
「情報商材ビジネス」のNGフレーズとは…(elutas/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」は“訴えれば勝てる可能性が高い”と思った》 「情報商材ビジネス」のNGフレーズは「絶対成功する」「3日で誰でもできる」
NEWSポストセブン
入団テストを経て巨人と支配下選手契約を結んだ乙坂智
元DeNA・乙坂智“マルチお持ち帰り”報道から4年…巨人入りまでの厳しい“武者修行”、「収入は命に直結する」と目の前の1試合を命がけで戦ったベネズエラ時代
週刊ポスト
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト