ライフ

かつて学歴否定派だった藤沢数希氏 1000万円かけて私立中高一貫校に通わせる効果を解説

今年の共通テスト。大学受験のためには中学受験をすべきか、高校受験がよいのか。受験事情に詳しい藤沢氏に聞いた(時事通信フォト)

今年の共通テスト。大学受験のためには中学受験をすべきか、高校受験がよいのか。受験事情に詳しい藤沢氏に聞いた(時事通信フォト)

 学歴競争を勝ち抜くためには、中学入試をすべきなのか。高校入試が得なのか。幸運にも子供が勉強ができた場合、正解は東大より医学部なのか。藤沢数希さんの『コスパで考える学歴攻略法』(新潮新書)は、学歴獲得の「コスパ」を追求すると同時に、中学から大学院までの受験制度や教育内容を俯瞰し、親と子が戦略的に取り得る選択肢を示す。私立中学受験にはいくらかかるのか。私立と公立のメリットとデメリット。「学歴」の真の価値まで。受験シーズン突入にあたり、国内外の教育事情に詳しい藤沢さんに話を伺った。【前編】では、中学受験に勝つ条件をはじめ、中高受験と高校受験のおさえておきたい要諦についてお届けする。

* * *

身内の子の中学受験をきっかけに、日本の教育を考えるようになった

──もともとは「学歴否定派」だったと書かれています。その背景や理由を教えてください。

 僕は地方出身で、大学受験のときは一人で参考書を勉強していました。大学を卒業後、海外の大学で博士号を取ってから外資系証券会社に就職したのですが、働き始めると学歴の話をすることなんてほとんどなかったですし、証券会社は良くも悪くも数字がすべてみたいなところがありました。サラリーマンを辞めて作家業が仕事の中心になってからは、経営者やインフルエンサーなどの、いわゆる成功した人たちとの交流が増えましたが、見ていると、学歴なんかぜんぜん関係ない。また、日本の受験勉強でトップクラスだった人たちが、大学での研究で成功するわけではないことも見てきました。

──そんな藤沢さんが、日本の教育や学歴を考えるようになった。きっかけは何でしたか?

 身内の子が小学校の高学年になって中学受験することになってから、日本の教育について再び深く考えるようになりました。最初、学校説明会なんかに参加すると、違和感を覚えたんですよ。私立中学が、東大合格者数や医学部合格者数をアピールしていて、何か寒々しいものを感じていました。そうやって違和感を覚えながらも、中学受験の塾で身内の子の順位とかが出てきて、それまで何も勉強していなかったから、最初はビリに近いんですけど、どうやったら成績が上がるのか、いろいろ試行錯誤でやっていました。

 見ていると、中学受験の問題って、すごく考えられていて、よくできている。人生の中で1、2年こういう勉強をするのは、それはそれで一つの教育だし、良い経験だろうと思うようになったんです。毎週全国のライバルたちと同じテストを受けて、順位が出て、努力によってその順位が少しずつ上がっていくというプロセスから、子どもが得るものは大きいとも考えるようになりました。

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン