「腎臓病には、たんぱく質とカリウムの制限が必須と思われがちですが、それはもう昔の話です。特に高齢の日本人は、たんぱく質が標準量よりも少ない人が圧倒的に多く、たんぱく質制限で筋肉量が減り、フレイル(虚弱)になって、ふらつき、転倒、骨折を起こし、最悪の場合は寝たきりになることがあります。カリウムも腎機能に影響を与えないとの研究結果があり、極端にカリウム値が高い人以外は、それほど気にすることはありません。他に腎機能障害がある場合はハム・ソーセージの製造などにも使われるリンの過剰摂取により、腎機能悪化の可能性もあるので、注意が必要です」(山縣教授)

 山縣教授の研究では管理栄養士の指導を3か月ごとに10回受けた患者はCKDの進行が緩やかになり、心臓血管疾患発症も有意に減少した。

 近年、糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬の一部がCKDにも保険承認され、治療効果を上げている。しかし、腎臓は一度障害されると元には戻らない。だからこそ、思い込みにとらわれず、正しい食事制限と適度な運動を取り入れ、死亡や辛く苦しい透析治療リスクの低下に繋げたい。

取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2023年2月10・17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

中村芝翫と三田寛子
三田寛子、夫・中村芝翫と愛人の“半同棲先”に怒鳴り込んだ「絶妙タイミング」 子供たちも大事な時期だった
週刊ポスト
大学受験に向けて動き出されている悠仁さま(写真/JMPA)
悠仁さまの東大受験に暗雲、推薦枠での入学には極めて高いハードル 進学先候補に東京農業大学、玉川大学、筑波大学
週刊ポスト
杏
【全文公開】杏、帰国時に極秘入院 ワンオペで子育てしながらの仕事、元夫・東出昌大 の言動でストレスも 体が悲鳴で短期の検査入院か
女性セブン
【全文公開】中村七之助、梨園きってのモテ男が“実家お泊り愛”の真剣交際 お相手は京都の芸妓、直撃に「ありがとうございます」
【全文公開】中村七之助、梨園きってのモテ男が“実家お泊り愛”の真剣交際 お相手は京都の芸妓、直撃に「ありがとうございます」
女性セブン
全国ライブ中の沢田研二
《ファンの声援にブチ切れ》沢田研二が「見てわからんか!」とステージ上で激怒し突っ込んだ「NGワード」
NEWSポストセブン
一部メディアが盛んに報じている「佳子さまの結婚のお相手候補」(写真/宮内庁提供)
【本命は島津家の御曹司か?】過熱する佳子さま「結婚相手報道」 眞子さんと小室圭さんの騒動で「佳子さまのお相手のハードルが上がった」
週刊ポスト
日本中を震撼させた事件の初公判が行われた
【悲劇の発端】瑠奈被告(30)は「女だと思ってたらおじさんだった」と怒り…母は被害者と会わないよう「組長の娘」という架空シナリオ作成 ススキノ事件初公判
NEWSポストセブン
長所は「どこでも寝られるところ」だと分析された(4月、東京・八王子市。時事通信フォト)
愛子さま、歓迎会の翌日の朝に遅刻し「起きられませんでした」と謝罪 “時間管理”は雅子さまと共通の課題
NEWSポストセブン
中村芝翫と三田寛子
《愛人との半同棲先で修羅場》それでも三田寛子が中村芝翫から離れない理由「夫婦をつなぎとめる一通の手紙」
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告
【父親とSMプレイの練習していた】瑠奈被告(30)の「女王様になりたい」に従った従順な両親の罪
NEWSポストセブン
佳子さま
【不適切なクレームが増加?】佳子さまがギリシャ訪問中に着用のプチプライス“ロイヤルブルーのニット”が完売 それでもブランドが喜べない理由
女性セブン
中村芝翫と三田寛子(インスタグラムより)
《三田寛子が中村芝翫の愛人との“半同棲先”に突入》「もっとしっかりしなさいよ!」修羅場に響いた妻の怒声、4度目不倫に“仏の顔も3度まで”
NEWSポストセブン