“世紀の誤審”再び!?
過去の大会で日本は“米国の洗礼”を受けてきた。
「2006年の第1回大会の2次ラウンド・米国戦では、ロッテの西岡(剛)のタッチアップ生還が認められない“世紀の誤審”で日本が競り負けた。審判が意図的に米国を贔屓するとは言いませんが、本拠地の熱気が判定に影響する可能性は否めません」(別のスポーツ紙記者)
最も懸念されるのは、メジャーの球団が日本人選手の起用法に介入してくることだ。特に日本の攻守の柱となる大谷の起用法は制限される恐れがあるという。
「3月21日にWBCの決勝が終わると、9日後の30日にエンゼルスはアスレチックスとの大事な開幕戦を迎えます。大谷が開幕投手を務める可能性もあり、故障を恐れるエンゼルスはWBCで投手・大谷が自由に投げることを警戒するはずです」(友成氏)
思い起こされるのは、日本が2連覇を果たした2009年の第2回大会だ。この時、投手コーチを務めた山田久志氏は、かつて本誌・週刊ポストの取材に「メジャーの選手管理の厳しさ」についてこう語っている。
〈2009年の時はレッドソックスにいた(松坂)大輔を預かっていましたが、メジャー球団はチェックが細かくて非常に厳しい。“何球投げた”とか“ここでは投げさせないでくれ”といったやり取りを毎日しないといけない〉(2023年1月1・6日号)
スポーツ紙デスクは、こう心配する。
「エンゼルスのミナシアンGMはWBCでの大谷の二刀流を容認する発言をしましたが、額面通りには受け取れません。大会中にエンゼルスから細かなチェックが入るはず。大会中の大谷の調子次第では球団が強権を発動し、二刀流に“待った”がかかるかもしれません」
第2回大会では様々な制約を跳ね除け、松坂がMVPを獲得した。大谷も同じように輝けるか。
※週刊ポスト2023年2月24日号