ライフ

比叡山大阿闍梨が語る人生の整え方「ものはふさわしい場所に置かれればそれだけで美しい」

DAIGOに「誰でも誰かの子」と指摘

ものと、置かれる場所の関係について、指摘する光永師

 約1000日間、比叡山の山中などを祈りながら歩き続け、9日間断食・断水・不眠・不臥で不動真言10万回を唱える「堂入り」など、平安時代から1000年続く最も苛烈な修行に28才で挑んだ光永圓道師。15才で仏門に入って以来、「一に掃除、二に看経、三に学問」と、朝から晩まで掃除と修行の日々を送った光永師は、最新著『比叡山大阿闍梨 心を掃除する』のなかで、「掃除でこそ人生が整う」と説く。その本質は「きれいにする」ではなく「もとに戻す」だという──。光永師が辿り着いた“整え方”を紹介しよう。

 * * *
 世間一般において、神社仏閣は「いつ行ってもきれいだ」、「整理整頓が行き届いている」と、お褒めの言葉を頂戴することがすくなくありません。僧侶や神主さんにとって、神社仏閣は聖域であるという大前提はあるものの、それだけが「整っている理由」ではないのです。

 たとえば、多くのものが乱雑に散らばった寺院の中であっても、不思議なことに1カ所だけはきれいに整っている。それは仏壇です。仏さまを安置し、御先祖さまを供養する場所ですから、丁寧に扱うのは当たり前ですが、もうひとつの理由について、私が深く得心した瞬間がありました。

 ものが乱雑に散らばった家の中でも、仏壇だけが乱れていないのはなぜか。

 それは、難しい理屈ではありませんでした。仏壇に置かれたものには、すべて「ふさわしい場所」が与えられていたのです。御本尊や御先祖さまの位牌、過去帳、仏飯器や燭台、香炉、線香立てまで、とにかく仏壇にはたくさんのものが並びます。

 けれど、これらはいずれも「決まった場所」に置かれ、その場所を「ほかのもの」が占拠する、つまり「置き場所がなくなる」ということはありません。御本尊は最上段の真ん中、その左右には向かって右に仏飯器、左には茶湯器、その外側には御先祖さまの位牌、下段には香炉に燭台、さらに下には線香立てや数珠と決まっています。

 このようにたくさんのものがあっても、しかるべきルールに則って、あるべき場所に整然と並んでいれば、長期間にわたってほこりを払わずとも、汚れていると感じることは少ないのです。

 実際、お寺の御本尊や脇侍の仏さまに対して、私たちは日常的にはたきをかけたりはいたしません。お堂の床を丁寧に拭くだけで、御本尊は輝くのです。

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト