今村磨人容疑者(写真/共同通信社)
ヤメ暴力団の「破門会」
グレー・ゾーンであるススキノには「半グレ」という言葉が生まれる前からヤクザでもカタギでもない集団が存在した。かつて暴力団を破門・絶縁になった人間たちがグループを作り、アウトロー系雑誌に登場したり、ビデオ化された映像がレンタルビデオ店に並んでいたこともあった。この破門者集団は、当時、山口組内で大問題となり、結局は札幌の暴力団によって解散させられ、詫び状を書かされた。
「『破門会』といったかな。あいつらはヤクザの建前にも縛られないので、金になればシノギはなんでもありだった。ちょうどルフィたちと同年代」(札幌の広域暴力団幹部)
連続強盗事件でフィリピンから強制送還され逮捕された今村磨人容疑者、渡辺優樹容疑者、小島智信容疑者らが暴力団関係者だったというが、藤田聖也容疑者もまた函館の六代目山口組三次団体幹部の舎弟だったとされる。ただし彼はその後、半グレグループのメンバーになったらしい。
「函館の暴力団幹部が組織したギャング団に所属してた。この幹部は第三者に指摘されるまで、配下に藤田がいたと気づかなかったらしい。暴走族を含め100人以上いたので分からなかったようだ。まさか函館からこんなヤバいヤツが出るなんて……と驚いていたと聞く」(札幌の暴力団幹部)
警察は暴力団寄りのアウトロー系半グレ集団のみならず、カタギ寄りの半グレグループとして、ソープランド経営者やキャバクラなどを経営する企業グループ周辺を洗っているという。
ススキノのみかじめ料はソープランド1軒当たり1か月10万円が相場だが、1年分を一括納入するシステムだ。1軒で120万円の収入は無税ですべてが暴力団の収入になる。10店経営していると1200万円を暴力団に納めなければならないわけで、暴力団を肥え太らす彼らは、もはや純粋な一般人とは言いにくい。
「ヤクザは女を使った商売を見逃さないからな。札幌では有名な兄弟がやってるグループがあんだよ。警察が調べると上層部が頻繁にフィリピンに渡航していると分かった。それだけでルフィたちと関係があるとはいえないが、他にも叩けば埃が出るかもしれない」(同前)