参院懲罰委員会が散会し、談笑する鈴木宗男委員長(左)と石井準一参院議院運営委員長。2023年02月21日(時事通信フォト)

参院懲罰委員会が散会し、談笑する鈴木宗男委員長(左)と石井準一参院議院運営委員長。2023年02月21日(時事通信フォト)

 国会には出席したくないが、出席しないと議員ではいられない。議員でいるためにはまず、帰国しないといけないが、帰国すると警察に拘束されるかもしれない。ガーシー議員の胸中は今、「認知的不協和」の状態だろう。認知的不協和とは、相互に関連する2つの認知の間に矛盾や不一致が生じることであり、人はこれによる不快感や緊張感を解消しようと認知を操作しようとする。ガーシー議員の認知は、有権者のために陳謝する。そのために帰国するということで、この不協和状態をなんとか解消しようとしていると思われる。

 彼が国会を欠席してきた理由の1つは「このような腐った権力者がいる日本に帰ってくると、不当な罪を着せられる恐れがある」ということらしい。国会議員には不逮捕特権があるため、帰国したからといってすぐに逮捕されることはないといわれる。だが国会議員でなくなれば、この特権はなくなる。警視庁が脅迫や誹謗中傷したとされる行為で捜査しているといわれているだけに、これを心配する気持ちはわかる。

 だがNHK党の立花孝志党首(55才)は、彼の国会議員としての主な仕事について「国会議員の不正、経済界の不祥事を暴いていくこと」であり、それによって辞任などの成果を出すというものだと説明していた。だとしたら、本当に不当な罪を着せられる恐れがあるのか、ここは身をもって証明し、いざとなればガーシー議員が主張する腐った権力をリアルにライブで暴くというはいかがだろうか。これだけ立花党首のいう彼の国会議員としての主な仕事に則している気がする。

 一方、帰国の意思を見せた『Live Newsイット!』では、「自分の身の保全が一番大事なので。わざわざ拘束されるために帰るつもりはないし、誰が自分の身に危険が及ぶのに帰るんですか?という話なんです」と主張している。だが他人のスキャンダルをあれこれ暴露するよりも、暴露系YouTuberとして、彼自身の身に起きるこれからをリアリティ番組のように暴露してもらうというのはどうだろう。予測不可能で困難な状況がこれから現実に起ころうとしているなら、国会議員として彼がそれにどう直面し、どう対応していくのか。今、これができるのはガーシー議員しかいない。

 ガーシー議員は本当に帰国するのか、その返答期限は27日だ。

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