数々の地震発生を的中させてきた村井俊治・東大名誉教授が、「現在、これまでにない大地震の予兆が現われている」と緊急警戒を呼びかけている。
村井氏が主宰する「MEGA地震予測」は、国土地理院が全国約1300か所に設置した電子基準点のGPSデータなどを使って地表の動きを捉え、1週間ごとの上下動の「異常変動」、長期的な「隆起・沈降」、東西南北の動きの「水平方向の動き」という主な指標を総合的に分析している。
そして、村井氏が名誉会長を務める地震科学探査機構(JESEA)は3月1日、1か月以内の大規模な揺れを予測する「ピンポイント予測」で新規に2つの地域を公表した。的中率は80%を超える。
●北海道~関東地方
〈3月31日まで〉
〈M6.5±0.5〉
●九州地方
〈3月25日まで〉
〈M5.5±0・5〉
「2月下旬から地震の前兆と思われる複数の大きな異常を広範囲で観測しました。これは極めて稀なことで、予測される地震の規模も大きく、大変危機感を抱いています」(村井氏)
【危険度1位】東北警戒ゾーン
2021年5月に発生した最大震度5強の宮城県沖地震と酷似した前兆が現れている。
【危険度2位】首都圏・甲信警戒ゾーン
静岡県と伊豆諸島で大きな「異常変動」が見られる。
【危険度3位】北海道警戒ゾーン
根室半島から釧路までの地域のみ沈降し続けている。
【危険度4位】九州警戒ゾーン
「上屋久1」など、南部に大きな「異常変動」が集中している。
【MEGA地震予測 MAPの見方】
地図中では、2022年8月7日から2023年2月11日の間に、要警戒とされる「1週間で5センチ以上の上下動」があった地点を示した。それに加え、地表の長期的な「隆起・沈降」と、地表が東西南北のどの方向に動いているかの「水平方向の動き」の分析を加味し、過去の地震発生の前兆現象と比較した上で「震度5以上の地震が発生する可能性があるエリア」を警戒ゾーンとしている。
※週刊ポスト2023年3月24日号