初戦のオーストラリア戦でまさかの敗北を喫した韓国代表

初戦のオーストラリア戦でまさかの敗北を喫した韓国代表

 ところが、近年になって風向きが完全に変わった。直接対決の機会が減ったが、日本に明らかな力の差を見せつけられている。2019年のプレミア12で2次ラウンド、決勝戦と2連敗。2021年の東京五輪でも準決勝で2-5と敗れ、メダルを逃した。そして、今回のWBCでも惨敗。韓国国内で日本人選手に対する見方も変わってきている。メジャーで投打の二刀流で活躍する大谷翔平の人気が高く、「アジアの誇り」「実力、ルックス、全ての要素を兼ね備えたスーパースター」と韓国メディアでも大きく取り上げられる機会が多い。

 大谷が今大会前のインタビューで韓国について聞かれ、「素晴らしい選手が多いなという印象で。アジアの中でもそうですし、世界的に見てもバッターもピッチャーも、どの世代でも世界で戦えるトップ選手が出てくる国じゃないかと思う。本当に素晴らしい野球をしているなと思っています」と語ったことが報じられたことも話題に。「実力だけでなく人柄も素晴らしい」「社交辞令でもありがたい。韓国の選手も見習ってほしい」などSNS上で多くのコメントが寄せられた。

 今回の日韓戦で、日本が8点リードの7回に大谷があわや死球という大暴投の場面が韓国国内で話題になっている。6回にヌートバーが背中に死球を受けていたこともあってか、大谷は怒りのような表情をにじませた。投球した左腕のイ・ウィリに「大谷が怒るのも無理はない。帽子を取って謝れ」「大量失点で負けていて大谷にぶつけそうになるなんて恥ずかしい」など批判の声が殺到する事態となった。

「韓国国内では侍ジャパンの野球に魅力を感じている野球ファンが多い。大谷が象徴的な存在です。日本、アメリカだけでなく韓国でも絶大な人気を誇る。こんなスーパースターはなかなかいません」(前出の通信員)

 ベスト4に進出した侍ジャパン。国境を越えた大谷フィーバーは、しばらく続きそうだ。

WBCで国歌斉唱する日本チーム。左端が栗山英樹監督、その右隣がヌートバー、中央が大谷翔平(AFP=時事)

WBCで国歌斉唱する日本チーム。左端が栗山英樹監督、その右隣がヌートバー、中央が大谷翔平(AFP=時事)

WBCチェコ戦でのヌートバー。ペッパーミルパフォーマンスもすっかりお馴染みに(AFP=時事)

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