ザ・ドリフターズ歴59年、ウクレレ歴75年、雷様歴38年……。2023年3月に90歳を迎えた高木ブーは、今も現役のウクレレ奏者&コメディアンとして大活躍している。画集や自叙伝が続けて発売されるなど、ますます元気いっぱいのブーさんに「90歳の野望」を聞いた。(聞き手・石原壮一郎)
──卒寿おめでとうございます。90歳になったお気持ちは?
気がついたらいつの間にかなってた感じかな。90歳になっても、ステージでウクレレを弾いたりテレビでコントをできたりしているのはありがたいよね。不健康そうに見えるかもしれないけど、2ヵ月ごとに受けてる健康診断では、いつもお医者さんに「どの数値も素晴らしいです」とホメてもらってます。ホント、どういうことなのかな。
ただ、なる前は89歳も90歳もたいして変わらないだろうと思ってたんだけど、そこはちょっと違ってた。「よし、またここからがんばるぞ」っていう初心に帰るみたいな感覚があった。といっても、ことさら肩に力が入るわけじゃなくて、今までと同じように、自分にできることを無理せずやっていくだけなんだけどね。
──ザ・ドリフターズは加藤茶さんと2人になりました。
寂しいけど、こればっかりはしょうがない。加藤とも「俺たちががんばらなきゃな」と話してるんだけど、ドリフの魅力やコントの文化を伝えていくのは、自分たちの役割だと思ってます。ただ、加藤と僕の後ろには、長さん、荒井さん、志村、仲本の4人がついてくれている。今も一緒にやってるつもりなんだよね。
仲本がいなくなったあと、とうとう雷様も終わりかなと思ってたら、加藤が「雷様は続けたほうがいい。俺も手伝うから」って言ってくれた。お正月の特番『ドリフに大挑戦』では、ハゲヅラをして丸眼鏡をかけた青い雷様になってくれた。嬉しかったな。僕が雷様を大事にしているのを見てくれてたんだね。