眞秀への期待も大きい
菊之助の菊五郎襲名は既定路線だが、その“先”には靄が立ちこめている。
「菊五郎さんは、“実力がある役者が菊五郎を襲名していってくれればいい”と公言しています。眞秀くんへの期待値の高さもあり、丑之助くんの将来を取り巻く状況に、菊之助さんは焦りを感じているのでしょう。それが、丑之助くんをめぐる周囲への当たりに、厳しさを持たせてしまっているのかもしれません」(前出・別の歌舞伎関係者)
音三郎に話を聞くと「音羽屋の弟子として忠義を尽くしてきましたし、それはこれからも変わりませんから、何も話すことはありません」と言葉少なだった。歌舞伎興行を行う松竹は「俳優間の関係やでき事については、弊社は関与する立場、および知り得る立場にはございません」と回答。菊之助の個人事務所へ問い合わせたが、回答を得られなかった。
梨園は独特な世界だ。師匠と弟子の関係も、わが子を思う気持ちも、一般的な感覚とは異なるのかもしれない。それでも、長く歌舞伎役者として歩んできた音三郎が「怒りの引退」にまで至ったのだから、穏やかとは言い難い。それは歌舞伎ファンが望んでいることなのだろうか。
※女性セブン2023年5月11・18日号