国内

「忠犬ハチ公100周年」記念イヤーが台無しに 秋田犬の聖地で勃発した「犬も食わない開催地変更騒動」

ハチ公生誕100周年のメモリアルイヤーに起きた騒動(共同通信社)

ハチ公生誕100周年のメモリアルイヤーに起きた騒動(共同通信社)

 秋田犬の容姿を競う「秋田犬保存会本部展」が5月3日に開催される。今年は秋田県大館市で生まれた「忠犬ハチ公」の生誕100周年ということで、国内だけでなく海外からも関心が集まっている。しかし、この本部展を運営する秋田犬保存会が、突如、開催地を変更したことで現地では驚きが広がっている。この背景には80年にわたって開催してきた秋田県大館市と保存会の間で起きた「施設移転トラブル」が原因とみられている。

 本部展は春と秋の年2回開催され、春は秋田犬の発祥の地であり、保存会が本部を置く秋田県大館市で行なわれてきた(秋は県外で開催)。秋田犬保存会の関係者が語る。

「古くから大館市には土着の犬がいて、長らく大館犬と呼ばれていました。1931年に天然記念物に指定され、そこから秋田犬と呼ばれるようになりました。そのため秋田犬を育てるブリーダーたちにとって、秋田犬の発祥の地である大館市で行なわれる春の本部展で日本一になるのが夢なんです。いまや秋田犬の人気は国内に留まらず、海外からの関心も非常に高い。ロシアのプーチン大統領やフィギュアスケートのアリーナ・ザギトワさんにも秋田犬が贈られたことは有名ですが、保存会の海外会員も増えています」

 春の本部展目当てに大館市には観光客が多く訪れるという。今年は新型コロナウイルスの水際対策が撤廃されたうえ、忠犬ハチ公生誕100周年ということから、大館市は海外からの観光客も期待していたという。

 しかし、今年2月、保存会はある決定を下した。春の本部展の開催地を大館市から県内の大仙市に変更すると決めたのだ。これまで大館市で80年近く開催されてきただけに、衝撃は大きかった。

 突然の変更だったが、大館市にとっても”原因”に心当たりがまったくないわけではない。同会が所有する秋田犬会館の改修工事を巡って、保存会との衝突があったと明かすのは大館市議の伊藤毅氏だ。

「2019年8月に保存会側から大館市に秋田犬会館の改修の請願が上がってきたんです。約8600万円ほどかかるとのことでしたが、市にいくら負担してほしいという金額が明記されていなかった。市議会としてもこれでは困るということで、私が窓口になって『市に要望する具体的な金額を出してほしい』『会員から積み立てなどを募るなど保存会側としての努力が見られないと議会も通しづらい』という2点を保存会側に伝えました。そこを修正した上で再度請願してほしいと。しかし、結局そのまま再請願がなかったため、2022年6月に不採択という結果になってしまった。

 市としてはこの改修と春の本部展の開催は別問題と考えていて、保存会側にも『春の本部展はこれまで通り開催に向けて進めていきたい』と伝えていました。しかし、保存会の遠藤敬会長が話をすり替えて『大館市は保存会に協力しない』と言い出した。また、来年以降の春の展示会の開催についても遠藤会長は『大館市の出方をみてから考える』と言っているようです。市に保存会の納得のいくだけのお金を出せということで、“脅し”と呼んでもいいと思っています。私だけでなく会員も大館市で開催するやることを望んでいたはずだけに、あまりにも悲しいですよ」

関連記事

トピックス

中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
スカイツリーが見える猿江恩賜公園は1932年開園。花見の名所として知られ、犬の散歩やウォーキングに訪れる周辺住民も多い(写真提供/イメージマート)
《中国の一部では夏の味覚の高級食材》夜の公園で遭遇したセミの幼虫を大量採取する人たち 条例違反だと伝えると「日本語わからない」「ここは公園、みんなの物」
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
『国宝』に出演する横浜流星(左)と吉沢亮
大ヒット映画『国宝』、劇中の濃密な描写は実在する? 隠し子、名跡継承、借金…もっと面白く楽しむための歌舞伎“元ネタ”事件簿
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
山本アナ
「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】
NEWSポストセブン
今年の夏ドラマは嵐のメンバーの主演作が揃っている
《嵐の夏がやってきた!》相葉雅紀、櫻井翔、松本潤の主演ドラマがスタート ラストスパートと言わんばかりに精力的に活動する嵐のメンバーたち、後輩との絡みも積極的に
女性セブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン