原付で日本一周に挑戦した勝村悠里さん
雨の日も風の日も、ただひたすら右手のハンドルを回し、先を目指してバイクを走らせた彼女のゴールはどこにあったのか。「りある@原付で日本一周24歳」のアカウント名でインスタグラムやTikTokなど、インフルエンサーとして合計1万人以上のフォロワーを持つ勝村悠里さん(25)。
横浜国立大学を卒業後、大企業に就職するも、わずか1年で退職。安定した生活を手放した彼女は当時24歳だった2024年の秋、原付で日本一周の旅に出た。いまどきの“普通の女子”だった彼女が旅をスタートするきっかけは意外な理由からだった──。旅の途中で起きた事故やアクシデントなど、濃密な3カ月間を語った。【前後編の前編】
国立大学を卒業後、ウェブマーケティングのコンサルティング会社に就職し、営業の仕事をしていた勝村さん。社員数約3000人の大企業で、社会人生活をスタートさせた。
「ベンチャー企業の社風に魅力を感じて入社しました。最初は『これから社会人だ』と、ワクワクしていて仕事も楽しかったんです。
でも、ずっと会社員として働き続けるビジョンが見えなくなっていき、ここにい続けることが理想の自分に繋がっていないように思えて……。だんだんと人生の舵を自分で握っていないような感覚になったんです」
思い悩む彼女は沖縄旅行へ飛んだ──。そこで目にしたのは、それまでの価値観を変える光景だった。