『めぞん一刻』(1986年放送)の音無響子役でも活躍

『めぞん一刻』(1986年放送)の音無響子役でも活躍

──1979年放送のアニメ『ゼンダマン』(『タイムボカンシリーズ』3作目、タツノコプロ制作)のイヴ役ですね。どんどん仕事が増えて、「声優」として認知されていくことに戸惑いや葛藤はなかったんでしょうか?

 やっぱり昔はありましたね。『ゼンダマン』と同じ頃に放送された『ザ☆ウルトラマン』は、レギュラー出演だったのと、収録の日ががっちり決まっていて動かせないんですよ。放送中の1年間は舞台に出られなくなってしまって、「私がやりたかったのって、声の仕事だったっけ?」と悩みました。

──葛藤が消えたのは、いつ頃だったんでしょうか?

「声優」の肩書を受け入れられたのは、『めぞん一刻』(1986年放送)のときかな。劇団に所属してはいたけど、舞台やドラマ、映画の仕事は全然回ってこない。自主公演はあるけど、自主公演なのでギャラは出ません。でも売れっ子なんて一握りだから、劇団員はバイトで生活するのが普通です。「それって本当に当たり前なのかな? この業界ってなんか違うんじゃないかな?」と考えている頃に『めぞん一刻』が始まることになったので、思い切って劇団を離れ、声優として活動していくことを決めました。

──プライベートでは1984年に青年座の後輩でお笑いコンビ「ちびっこギャング」の越川大介さんとご結婚されました。そのときはおいくつでしたっけ?

……29歳と363日(笑)! 20代で結婚したいとは思っていたけど、結局やっぱり仕事が楽しかったです。

──島本さんもしょくぱんまん役でレギュラー出演する『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ系)で、長女の越川詩織さんが2012年に声優デビューしました。

 反対はしませんでしたが、ガッカリはしました(笑)。大学卒業後は女優になりますと言われて、「苦労が目に見えているんだから、芝居は趣味でやればいいのに」とは正直思いましたね。まぁでも親もその友達も役者だし、娘にとってわりと身近な選択ではあったのかな。『アンパンマン』で母娘で共演したときは、どうしても娘のことが気になって、私のほうが緊張しちゃいました(笑)。

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