国際情報

「帰ったら、きっと殺される」ミャンマーからの亡命者らが語る国軍の残虐な襲撃 日本が10億円を投じた「日本村」も破壊

スーチー氏と現在の国軍ミン・アウン・フライン総司令官(時事通信フォト)

拘束されたアウンサンスーチー氏と国軍ミン・アウン・フライン総司令官(時事通信フォト)

 2023年4月、ミャンマー国軍が北部ザガイン地域の村を標的に行った空爆で、市民160人以上が死亡し、クーデター後で最大規模の犠牲者を出した。2021年2月の軍事クーデターにより、政情不安が続いているミャンマー。現在も国軍が、国家権力を掌握した状態だ。タイとの国境沿いで日本が住宅建設などを支援してきたミャンマー東部カイン州のレイケイコー村(通称『日本村』)も、国軍によって空爆された村のひとつだ。今回はその村から逃れ、いまもタイで身を隠して暮らすミャンマー難民らを取材した。その想像を絶する体験を東南アジア専門ジャーナリスト・泰梨沙子氏がレポートする。

 * * *

「突然住んでいた村が空爆されました。砲撃音が、いまだに耳から離れません。ミャンマーには帰りたいけど、帰ったら、きっと殺されます」

 絞り出すようにそう語ったのは、2021年12月に空爆のあったレイケイコー村から逃れてきたミインさん(仮名、50歳女性)だ。

ミャンマー難民のミインさん(撮影/泰梨沙子)

ミャンマー難民のミインさん(撮影/泰梨沙子)

 ミインさんは空爆から逃れた後、同じく避難してきた人々とともに川をわたり、国境を接するタイに不法入国した。現在は、同じ境遇にあるほかの難民約20人と身を隠して暮らし、第三国への亡命手続きを進めている。

 今回、筆者はミインさんらに話を聞くため、タイ北部にあるターク県の町を訪れた。ミャンマーとの国境沿いにある山岳地帯で、田畑に囲まれた自然豊かな土地に、ミインさんらが暮らす小さな一軒家がある。

 その家を案内人と共に訪れると、扉から住民の男たちがぞろぞろと、少し警戒した面持ちで出てきた。「この場所は、絶対に他言しないでほしい」。案内人に強く言われていたことが頭をよぎる。

関連記事

トピックス

不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《スクショがない…》田中圭と永野芽郁、不倫の“決定的証拠”となるはずのLINE画像が公開されない理由
NEWSポストセブン
多忙の中、子育てに向き合っている城島
《幸せ姿》TOKIO城島茂(54)が街中で見せたリーダーでも社長でもない“パパとしての顔”と、自宅で「嫁」「姑」と立ち向かう“困難”
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
女性アイドルグループ・道玄坂69
女性アイドルグループ「道玄坂69」がメンバーの性被害を告発 “薬物のようなものを使用”加害者とされる有名ナンパ師が反論
NEWSポストセブン
遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン