国際社会の非難に耳を貸さないミャンマー軍
2021年2月のクーデター以降、国軍による市民弾圧は激しさを増している。ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会(AAPP)」によると、4月28日までに国軍の武力行使によって死亡した市民の数は3,447人。さらに1万7,726人がいまだ拘束されたままになっている。
こうした状況下で、国際社会からは批判の声が相次いでいるが、ミャンマー国軍が聞き入れる様子は一向に見受けられない。
クーデター発生当初、日本政府は国軍に「独自のパイプ」があるとして、暴力の停止を何度も呼び掛けてきたが、抑止力にはならなかった。大規模な支援をしてきたレイケイコー村への攻撃をみても、もはや日本がミャンマー国軍にとってさほど重要視されていないことが推察できる。
国軍への「独自のパイプ」が機能しないことが明らかになったいま、日本政府はミャンマーの民主派勢力や国際社会との連携を一層強化し、ミャンマーの民主主義の復活に向けて関与を強めるべきだろう。
取材・文/泰梨沙子(東南アジア専門ジャーナリスト)