日本が10億円以上を拠出
ミインさんやティンさんが暮らしていたこのレイケイコー村とは、いったいどんな場所なのか。
国軍と少数民族武装勢力による対立が70年以上続くミャンマーでは、紛争地域でたびたび死傷者や避難民を出してきた。こうした地域の復興支援事業として、日本財団は2016年、少数民族カレン族の支配地域で住宅や学校、医療施設などの建設を支援。その一部だったレイケイコー村は、国内の避難民や国外から帰還する難民たちの受け入れ地として、「平和の象徴」になるはずだった。
日本財団の発表によると、同事業には外務省資金(約10.8億円)が割り当てられた。「同地域の復興支援事業としては最大規模かつ、日本政府資金としても初の復興支援事業」であり、地域の復興に向けて期待が高まっていた場所だったのだ。
国軍がこの村を攻撃した理由としては、抵抗する民主派勢力の幹部らが潜伏していたためとされているが、「実際には子供や老人など、戦闘に加わっていない多くの一般市民も巻き込まれた」(ミインさん)。
地元メディアによると、一時はレイケイコー村と周辺地域に住む1万人が避難を余儀なくされたという。