スポーツ

大谷翔平、WBC決勝前のスピーチ「憧れるのをやめましょう」 士気を高めた名言が生まれた背景

大谷翔平がWBCでチームの士気にも貢献した理由

大谷翔平がWBCでチームの士気アップにも貢献(写真/共同通信社)

 普段より多くスタジアムに駆けつけた野球少年たちが、瞳を輝かせながらグラウンドを見つめている。その視線の先にいるのは、屈強なメジャーリーガーたち。その中でも一際注目を集めていたのは、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平(28才)だった。

 日本時間5月8日に行われたエンゼルスの試合は「リトルリーグ・デー」と銘打たれ、試合前のベンチで大谷は笑顔で子供たちと写真撮影をし、たくさんのサインに応じていた。試合はエンゼルスが大敗したが、大谷自身は2本のヒットを放つなど躍動。大谷が放ったファウルボールをキャッチした少年が、うれしさのあまり涙を流す微笑ましいシーンもあった。

 日本の優勝で幕を閉じたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)から1か月以上が経っても、いまだ冷めやらないどころか、ますます熱を帯びる世界の大谷フィーバー。4月28日から始まった、メジャーリーグ機構の公式オークションでも大谷は規格外だった。

「WBCのオーストラリア戦で実際に着用したユニホームが、約1700万円で落札されました」(スポーツジャーナリスト)

 5月7日夜には『緊急特報!侍ジャパンWBC世界一の熱狂!』(テレビ朝日系)という特番が放送。日本を感動の渦に巻き込んだWBCの軌跡をたどったその番組で明かされたのは、アメリカとの決勝戦の直前、ロッカールームでの大谷の名スピーチ誕生秘話だった。

「憧れるのを、やめましょう。今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」

 バリバリのメジャーリーガーばかりのアメリカに相対した侍ジャパンの選手たちが、その言葉に鼓舞され、士気を高めたことは間違いない。

「番組では、侍ジャパンの栗山英樹監督(62才)が名スピーチの背景を明かしました。大会期間中、侍ジャパンのある選手が、アメリカ代表のキャプテンで、エンゼルスで大谷選手のチームメートでもあるマイク・トラウト選手(31才)のサインボールをリクエスト。チームに帯同していた通訳の水原一平さん(38才)の計らいで、トラウト選手から全員分のサインボールが贈られたそうです」(スポーツ紙記者)

 トラウトは、メジャーリーグのMVPを3度受賞した超一流選手で、なおかつ屈指の人格者としても慕われる選手だ。そのサインボールとなれば、侍ジャパンの選手とは言え喜びはひとしおだったのだろう。

「大谷選手も周囲の気持ちが理解できたのでしょう。でもだからこそ、一度気持ちを平らに戻す必要があると考えたのだと思います。世界一になるためには、実力だけではなく気持ちの部分でも負けてはいけない。“憧れるのをやめよう”というあの言葉には、そんな思いが込められていたのでしょう」(前出・スポーツ紙記者)

 6月には、WBCのドキュメンタリー映画『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』が公開される。スクリーンで今一度、大谷の名言のシーンが見られるか。

※女性セブン2023年5月25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
グラドルデビューした渡部ほのさん
【瀬戸環奈と同じサイズ】新人グラドル・渡部ほのが明かすデビュー秘話「承認欲求が強すぎて皆に見られたい」「超英才教育を受けるも音大3か月で中退」
NEWSポストセブン
2人は互いの楽曲や演技に刺激をもらっている
羽生結弦、Mrs. GREEN APPLE大森元貴との深い共鳴 絶対王者に刺さった“孤独に寄り添う歌詞” 互いに楽曲や演技で刺激を受け合う関係に
女性セブン
無名の新人候補ながら、東京選挙区で当選を果たしたさや氏(写真撮影:小川裕夫)
参政党、躍進の原動力は「日本人ファースト」だけじゃなかった 都知事選の石丸旋風と”無名”から当選果たしたさや氏の共通点
NEWSポストセブン
セ界を独走する藤川阪神だが…
《セの貯金は独占状態》藤川阪神「セ独走」でも“日本一”はまだ楽観できない 江本孟紀氏、藤田平氏、広澤克実氏の大物OBが指摘する不安要素
週刊ポスト
「情報商材ビジネス」のNGフレーズとは…(elutas/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」は“訴えれば勝てる可能性が高い”と思った》 「情報商材ビジネス」のNGフレーズは「絶対成功する」「3日で誰でもできる」
NEWSポストセブン
入団テストを経て巨人と支配下選手契約を結んだ乙坂智
元DeNA・乙坂智“マルチお持ち帰り”報道から4年…巨人入りまでの厳しい“武者修行”、「収入は命に直結する」と目の前の1試合を命がけで戦ったベネズエラ時代
週刊ポスト
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン