海洋循環にもパラレルワールドが存在?(写真/PIXTA)
科学の力をもってパラレルワールドのベールが明かされようとしているのは、海洋領域だけではない。量子力学の観点から「パラレルワールドは考えられる」と話すのは、『現象が一変する「量子力学的」パラレルワールドの法則』著者の村松大輔さんだ。
「量子力学の世界には『他世界解釈』という理論が存在します。世界は1つではなく、別の世界が存在し、そこではあなたはいまと違う生活をしており、そうした別の世界は無数にあるという考え方です。同じ時間に複数のテレビ局がさまざまな番組を放映しているように、そしてリモコン1つで好きな番組を見ることができるように、“周波数”をうまく合わせることができればパラレルワールドを行き来することができるといえます」(村松さん・以下同)
量子力学の研究において、パラレルワールドの存在が肯定されるに至った背景には、「素粒子」の発見がある。
「素粒子は人体を分解していった末、最後に辿り着く最小単位の物質です。私たちの体を構成している細胞は、DNAやたんぱく質、糖質、脂質などをはじめとする『分子』という存在でできています。分子はさらに、ナトリウムやマグネシウムといった『原子』と呼ばれる粒の集まりに細かく分けられる。原子は、中央にある原子核とその周りを飛び回る電子によって成り立っている。
原子核はさらに『陽子』 と『中性子』という粒子の組み合わせでできており、それらの中にはさらに小さな『アップクォーク』と『ダウンクォーク』という粒子が飛んでいます。素粒子は電子やアップクォーク、ダウンクォークのことを指しており、これ以上は分解できない物質の最小単位です」
村松さんによれば素粒子は、「非常識な性質」を持った非常に特殊な物質なのだという。
「素粒子には過去・現在・未来という時間の不可逆性や場所を超越する力があります。素粒子の力によって、1つの電子が同時に複数の場所に現れる、つまり人間の体が複数のパラレルワールドにまたがって存在するということは充分にあり得るのです」
素粒子に関する研究は日進月歩で、東京大学や東京工業大学でも素粒子の力によってタイムマシンを作ったり宇宙の始まりを解き明かしたりする研究が進んでいる。