ライフ

むくみ・痛みの解消、脂肪の燃焼も期待? “深部リンパ”の滞りを開放するマッサージ

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

 突然だが、あなたは「前屈」ができるだろうか。もし、まっすぐ立った姿勢から上体を倒して床に手をつけることができなければ、リンパの流れが滞っているかもしれない。深部リンパ協会代表理事の夜久ルミ子さんが言う。

「手が床から10cm以上離れてしまう人は、わきの下、お腹、脚のつけ根のリンパがかなり滞っています。リンパの“ツマり”によって、その周辺の筋肉や関節が硬く、動かしづらくなっているのです。同様に、左右の腕を上下から伸ばして背中で手を組んでみてください。できなければ、やはりわきの下のリンパが滞っている可能性大です」

「リンパ」とは「リンパ液」の流れのこと。人間の体には、動脈や静脈とともに「リンパ管」が無数に走っており、その中を流れるリンパ液は、全身を巡って老廃物や細菌を回収し、排出させる役割を果たしている。

「脂肪燃焼や疲労回復、傷の治癒などのために細胞が働くと、副産物として二酸化炭素や老廃物が出ます。それらが毛細血管を通って静脈から心臓に向かう途中でリンパ管が回収しているのです。

 そうして“有害物質”を回収したリンパ液は、わきの下や鎖骨、そけい部(脚のつけ根)などにある『リンパ節』でろ過された後、水分と共に尿や汗として排出されます。リンパ節は同時に、そこを通るリンパ液の中に細菌やウイルス、がん細胞などを見つけると即座に免疫機能を働かせてシャットアウトする、いわば体の“関所”でもあります」(夜久さん・以下同)

 つまり、リンパの流れが悪かったり、リンパ節が充分に機能を果たせていなければ体内の老廃物が排出されず、リンパに連動して流れる血液から栄養素が充分に運ばれなくなる。すると、筋肉や関節の動きが悪くなるほか、体のだるさや重さ、冷え、むくみ、肩こりや首こり、自律神経の乱れ、免疫力の低下など、さまざまな不調を招くことになる。リンパの流れは、全身の状態を左右するのだ。

“真のリンパ”は筋肉の中にある

 エステなどで行われる、肌を優しくさするようなリンパマッサージももちろん効果は期待できる。だが夜久さんによれば、肌をなでるマッサージでアプローチできるのは、全身のリンパのうち、わずか6%の「浅部リンパ」のみ。

「残りの94%のリンパは、筋肉の中に流れている『深部リンパ』です。リンパ液は血液のように自然に流れるのではなく、筋肉の動きが“ポンプ”の役割を果たし、リンパ管の中を心臓に向かって流れます。そのため、運動不足や座りっぱなし、または立ちっぱなしの生活や、補整下着などのきつい締めつけによっても、リンパの流れは悪くなります」

 女優やアスリートなど、著名人が数多く通うアンチエイジングサロン「ソリデンテ南青山」院長で理学療法士の小野晴康さんが言う。

「リンパの流れが悪くなって筋肉が硬くなると、筋肉をぴったりと包んでいる『筋膜』というコラーゲン質の膜も硬く、動きにくくなります。筋膜の動きが悪くなると、それに包まれている筋肉はさらに硬くなって動きづらくなり、血行も悪くなる。すると筋膜が筋肉にベッタリと癒着し、より動きが妨げられます。そうなれば、筋肉の中にあるリンパの流れはさらに悪くなる。ひとたびリンパの流れが停滞すれば、悪循環に陥るのです」

 その状態が長く続けば、やがて筋肉の中にある毛細血管が機能しなくなり、その周辺に新しい毛細血管ができて、筋肉の外側から酸素や栄養を運ぶようになる。

 ところが、この新しい毛細血管が供給する栄養は、脂肪細胞に蓄えられやすいという性質を持っている。つまり、深部リンパの滞りは、体の不調を招くばかりでなく、あなたの筋肉を脂肪に変えてしまう“デブのもと”にもなるのだ。だが裏を返せば、筋肉の中にある深部リンパの流れさえ整えれば、健康もスリムな体も手に入れられるということ。

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン