2週間でやせる! 自宅でリンパマッサージ
まず取り組むべきなのは、夜久さんが開発した「深部リンパ節開放マッサージ」。9か所の“関所”へのアプローチがポイントだ。
ポイント図解
「“関所”とされるリンパ節は顔、鎖骨、わきの下、横隔膜、お腹、腰、そけい部、ひざ裏、足首の9か所。この中でもっとも重要なのが鎖骨です。全身を流れるリンパ液は、必ず鎖骨下部のリンパ節を通過するため、鎖骨は全身のリンパが行き着く“最終地”と言っても過言ではありません。ここが滞っていると、いくらほかの場所をマッサージしても、効果は半減します」(夜久さん・以下同)
【1】両手を軽く握り、左右のあごの下から首のつけ根まで、3か所に分けて3秒ずつ押す。 【2】両手の人さし指、中指、薬指を揃えて軽く丸め、左右の鎖骨の上を垂直に5回押す。 【3】顔を少し傾けて、耳の下から鎖骨に向けて、4本の指で5回さすり下ろす。反対側も同様に行う。 【4】わきの下に押し込むように深く親指を入れ、残りの指でわきの外側をつかみ、もみほぐす。反対側も同様に行う。 出典:夜久ルミ子『やせスイッチを押せば驚くほど細くなる』
【1】いすに浅く腰掛けて両脚のつけ根に親指を置き、残りの指は太ももの外側をつかむ。「1、2、1、2」とリズムを取りながら左右3回ずつ、交互に足踏みをする。【2】両手の人さし指、中指、薬指、小指を揃えて、左右の肋骨のきわに沿って押す。上体を倒して息を吐きながら行い、左右3か所に指をずらしながら3回ずつ行う。 出典:夜久ルミ子『やせスイッチを押せば驚くほど細くなる』
鎖骨の次に重要なのはわきの下とそけい部のリンパ節。上半身(おへそより上)のリンパはわきの下に、おへそより下のリンパはそけい部に集まるため、ここを開放することで、全身のリンパの流れをよくすることにつながる。鎖骨、わきの下、そけい部の深部リンパ節開放マッサージの方法は上図を参考にしてほしい。
「必ず、心臓に近い場所から始めて、徐々に体の末端に向かってマッサージしてください。リンパ液は心臓に向かって流れているので、心臓に近いところから順番に滞りを解消していくことで、よりリンパが流れやすくなります。“痛気持ちいい”と感じるくらいの強さを目安に行ってください」
この方法で全身のマッサージを実践した人の中には、2週間で体重は3kg減、太ももは4cm以上細くなったケースもある。夜久さんは「9か所のリンパ節をただ押したり、もんだりするだけでも効果は期待できる」と話す。
「毎朝顔を洗うついでに鎖骨を押したり、肩こりを感じたときにわきの下をもんだりするだけでも、深部リンパ節の開放につながります。
デスクワークなどで座りっぱなしの時間が長ければ、トイレに立ったついでにアキレス腱を伸ばすと足首の深部リンパ節の開放になります。骨盤をまっすぐに立てるイメージで、両足の裏は床につけたまま行うのがポイントです。
いすに座っているときは、両手のこぶしをお尻の下に敷いて体を左右に揺らすことで、指の骨によってお尻のリンパ節を刺激できます」
ただし、はじめのうちは、リンパ節の周りの筋肉がガチガチに硬くなっている人がほとんど。痛みが強ければ無理をしないこと。また、生理中のほか、体調が悪いときは症状を悪化させる可能性もあるので、行わないようにしよう。
「筋肉のポンプ機能が回復すればリンパの流れは必ずよくなり、リンパの流れが改善されれば、筋肉もよく動くようになる。結果として、痛みやむくみの改善、脂肪燃焼につながります」(小野さん)
リンパの“大洗浄”で体の中からきれいに、元気になろう。
イラスト/飛鳥幸子
※女性セブン2023年6月8日号