国内

創刊時から続く山口組機関紙の川柳コーナーが示す組織の高齢化 健康に関する句が増加「ウォーキング 好きなおやつに つい換算」

指定暴力団山口組総本部。神戸市灘区(時事通信フォト)

指定暴力団山口組総本部。神戸市灘区(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、山口組機関紙の名物、川柳コーナー掲載作品の変化から読み解く組織と構成員、社会の移り変わりについて。

 * * *
 2023年の「サラリーマン川柳」のベスト10が発表された。今年はサラリーマン川柳から、名前が「サラッと一句!私の川柳コンクール」に変わっている。今年のベスト10には、急激に進むデジタル化への戸惑いを読んだ句やコロナを詠んだ句も選ばれた。1位になったのは値上げ対策の日常を詠んだ句だった。

「山口組新報」の川柳コーナーには、年間ベスト10を選ぶ企画はないが、全国の組織から応募される句の中から毎号17句の川柳が選ばれている。このコーナーは俳句、川柳、短歌・狂歌からなり、創刊号から続く人気のコーナーだ

 山口組新報は六代目山口組が傘下組織に向けて発行している機関紙で、全ページオールカラーのB4判8枚からなる。組の行事や法要についての報告や各地の参加組織の地元紹介などが載っている。山口組関係者に聞くと「隅から隅まで読まないが、誰が書いているかチェックする。知り合いが寄稿していれば、そこはきっちり読む」という。

 サラリーマン川柳が世の中の有様を表すと言われるように、新報の川柳コーナーもまた六代目山口組の世相を表しているといえる。末端の組織では、暴対法や暴排条例による規制や取締りにコロナの影響で、シノギが大幅に減少したところも多く、〈何もかも 値上げ値上げで 音が上がる〉26号(2022年7月1日号)と日々の暮らしを嘆く句が詠まれた。デジタル化に絡んでは〈AIも 太刀打ちできぬ 妻の勘〉や、〈じいさんは ライン見たかと 電話くる〉18号(2019年3月1日号)と誰にでもありそうな体験を詠んでいる。

川柳から垣間見えるヤクザのリアルな生活

 コロナ前には、暴力団組織らしい句も載った。国内最大の暴力団組織、六代目山口組が分裂したのは2015年8月だ。その翌年、2016年7月1日号の10号に載ったのは、〈盃の 重さ忘れて 私利私欲〉という組を割って出て行った組織を非難する句だ。14号(2017年11月1日号)には〈ガード付 命消えども 名は残る〉という組同士の抗争を想定したような物騒な句も載った。暴力団も昔のように仁義に篤い組織ばかりではない。まして情報の移り変わりが激しい今のご時世、身代わりになってその名が本当に残るのか、疑問の方が残ってくる。

関連記事

トピックス

別宅で暮らし続ける芝翫
【中村芝翫、度重なる不倫騒動】舞台で共演“既婚者の大物女優”と親密だった疑惑、妻・三田寛子の抗議で交際解消か
女性セブン
笹山なつき容疑者(21)
《プライベートでも悩み》園児切りつけ21才保育士、「明るく元気で弟思い」の彼女が“病み”投稿連発で凶行に至った「家族を支えなきゃ」のプレッシャー
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】和久井学被告が接近禁止命令の後も続けていた「ネット・ストーキング」 被害者女性のライブ配信での一言で殺害決意か
週刊ポスト
中村芝翫と三田寛子
「もうインスタの投稿をやめてくれないか」4度目不倫の中村芝翫が妻・三田寛子に呈していた苦言の裏にある「本当の意図」
NEWSポストセブン
内田容疑者とともに殺人容疑がかけられている19歳のA子。内田容疑者のSNSにはA子が頻繁に登場していた
共犯の19歳A子を“舎弟”と呼んだ内田梨瑚容疑者(21) 殺害直後、タバコ片手にノリノリで『非行少女』を歌う姿をSNSに投稿 「頬を寄せながら……」【旭川・女子高生殺害】
NEWSポストセブン
並々ならぬ上昇志向でのし上がってきた2人の女傑(写真/共同通信社、時事通信フォト)
小池百合子氏vs蓮舫氏「似た者同士の東京都知事選」 元都知事、元副知事、元側近ら“蹴落とされた男たち”が語る2人の「怖さ」と「権力欲」
週刊ポスト
草葉の陰で何を思うか
小澤征爾さん「お別れ会」に長男・小澤征悦と妻・桑子真帆アナは参加せず 遺産管理を巡り実姉との間に深い溝
女性セブン
殺人未遂容疑で逮捕された笹山なつき容疑者
《鹿児島2歳児カッター切りつけ》3月末に10人退職…“要塞”と揶揄される保育園の中で何が「口調の強い園長先生」「新卒職員が2カ月で髪ボサボサで保護者会に…」近隣住民語る10年前の異変
NEWSポストセブン
殺人容疑で逮捕された内田梨湖容疑者(SNSより)
《強気な性格の私も愛して》内田梨瑚容疑者がSNSの写真転載にキレた背景に加工だらけのTikTok投稿【旭川・女子高生殺害】
NEWSポストセブン
度重なる不倫が報じられてきた歌舞伎役者の中村芝翫
【凄絶不倫】中村芝翫「アンジェリーナ・ジョリー似から熊田曜子似まで」三田寛子とは全く異なる愛人のルックス「好みは妖艶タイプ」
NEWSポストセブン
三田寛子と中村芝翫夫婦の家で、芝翫と愛人が同棲しているという
【不倫真相スクープ】三田寛子、実家を乗っ取られた? 中村芝翫と愛人の生活が“通い愛”から同棲に変化 ガレージには引っ越しの段ボールが山積み
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小池百合子vs蓮舫「ものすごい権力欲」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小池百合子vs蓮舫「ものすごい権力欲」ほか
NEWSポストセブン