茂木敏充・幹事長はどう動くか(時事通信フォト)
折しも、安倍氏の一周忌の7月8日には自民党、安倍派、安倍家合同の法要が行なわれる。
「安倍派では萩生田光一・政調会長や西村康稔・経産相はじめ有力な後継候補たちが牽制し合って一周忌までに会長は決まりそうにない。だが、派内がバラバラでは来年の総裁選で草刈り場になりかねないから、独自候補を擁立すべきだという声が強い。安倍派は結束を守るために総裁選で岸田支持に回らず、対立候補を立てる方向になるだろう」(野上氏)
「参院のドン」青木氏の死は岸田首相の党内基盤を揺るがし、茂木幹事長を総裁選へと走らせ、安倍派を反岸田へと旋回させている──。岸田首相が解散・総選挙で負ければ当然政権は危うくなるが、たとえ勝利しても「選挙の指揮をとる政敵の茂木幹事長の功績になるから、首相には総裁選にプラスとはいえない」(野上氏)。
党内第4派閥の基盤しかない首相を待ち受けているのは、選挙に負けても勝ってもその後の総裁選に向けた茨の道なのだ。
※週刊ポスト2023年6月30日・7月7日号