ライフ

トクホ飲料、スポーツドリンク、糖質オフ飲料、うこん飲料…“飲み物”に潜む健康へのリスク

(写真/GettyImages)

水分補給は飲み物次第で健康へのリスクが(写真/GettyImages)

 暑い季節になると水分補給が重要になるが、飲み物選びには注意すべき点があるという。健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子さんが解説する。

「スポーツドリンクは糖分を多く含有するため、発汗して水分が不足した状態で大量に飲むと、血糖値の急上昇により倦怠感が出たり、意識が低下する可能性があります。

 また、“摂取することによって特定の保健の目的が期待できる”として、国の許可を受けて販売されているトクホ飲料は目安量以上に飲んでも効果が得られない。それどころかトクホに加えられた食物繊維によって、低用量ピルの吸収が阻害されて効果が出なくなるなど、弊害が出る可能性もあります」(望月さん・以下同)

 牛乳に比べ、脂質が少なくヘルシーとされるアーモンドなどの植物性ミルクへの安易な置き換えは推奨できない。砂糖や添加物が足されているものがある。ダイエット効果をうたう糖質オフ飲料や酵素ジュースも飲みすぎに注意が必要だ。

「糖質オフには明確な基準はなく、糖質は少量であってもゼロではないためたくさん摂れば、糖質の過剰摂取になります。酵素はたんぱく質なので口から摂取しても消化器官で分解され、酸素自体の効果は期待できません。また、糖質がかなり多く入っている商品もあるので、飲みすぎに注意してください」

“飲みすぎ”がリスクを招くのは二日酔い対策で有名なうこん飲料も同様だ。多く含有する鉄分の摂取過多や過剰に飲んだことでアレルギー反応が起こり、肝機能が低下した報告が確認されている。内科医の山本佳奈さんは、体のために栄養補助食品やビタミン剤などのサプリメントをせっせと摂るのは意味がないと話す。

「一般的な食事をしっかり摂れているなら、あえてサプリメントで摂るべき栄養素は基本的にないでしょう。プロテインなどもそうですが、不足していない状態で特定の成分だけを必要以上に摂取すると、栄養過多による健康リスクがあります」(山本さん)

 リスクはないが効果もない成分もある。「ひざ痛を緩和」が売り文句で、テレビCMでもおなじみの「グルコサミン」や「コンドロイチン」は胃腸で消化されてしまうので、ひざまで届かないとされている。

「効果が見込めないのは『水素水』も同様です。公的な定義などないうえ、国立健康・栄養研究所も“信頼できる充分なデータが見当たらない”と発表しています。電解水素水は製造方法によりミネラルやカリウムが多く含まれる場合があり、腎臓や胃などの持病が悪化するリスクがあります」(望月さん)

 健康意識は大切だが、栄養摂取は日々の積み重ねが大切。「おいしい話」にはくれぐれも注意が必要だ。

※女性セブン2023年6月29日号

体を蝕む食べ物と食べ方一覧

体を蝕む食べ物と食べ方一覧

関連記事

トピックス

”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
クマ対策には様々な制約も(時事通信フォト)
《クマ対策に出動しても「撃てない」自衛隊》唯一の可能性は凶暴化&大量出没した際の“超法規的措置”としての防御出動 「警察官がライフルで駆除」も始動へ
週刊ポスト
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン