芸能

BTS、J-HOPE&SUGA それぞれのドキュメンタリー映画が限定公開、K-POP番長が解説

Ⓒ2023 BIGHIT MUSIC & HYBE. ALL Rights Reserved.

(c)2023 BIGHIT MUSIC & HYBE. ALL Rights Reserved.

 デビューから10周年を迎え、グループとしてソロとしてさらなる飛躍を遂げているBTS。そんな“時代の担い手”の裏側は、いったいどんなものなのか──。J-HOPEとSUGA、2人のメンバーに焦点を当てたドキュメンタリー映画が、1週間限定で劇場公開される。さあ、映画館でしか体感できない“音楽の旅”へ──。“K-POP番長”と呼ばれる音楽ライター・まつもとたくお氏が、両映画を深掘り解説する。

『SUGA: Road to D-DAY』
《Agust D(SUGA)Solo Album“D-DAY”の制作裏側に迫ったドキュメンタリー。SUGAが新しい夢を見つけるため、ラスベガス、マリブ、東京など世界中を旅する姿を追う》

 ファンならずとも見てほしい映画。音楽をやる人に限らず、生きていれば必ず訪れる悩みに対して真摯に向き合うひとりの人間の姿を克明に刻み込んだ映像の数々は、多くの人たちに前向きな心を与えてくれるはずです。

 ここまで本音を言っても大丈夫だろうかと心配するほどに、自問自答を繰り返すSUGA。BTSが“ソロ活動も本格的に始動”を告げた際にSUGA自身もソロアーティストとして新しい音楽ジャンルを探求し、自身の夢や新たな目標を探し始める。

 どんな状況でも楽しく生きなければいけないと考えた彼は、海外在住の音楽関係者たちと積極的に交流します。その中で故・坂本龍一さんと出会うのですが、対話によってどんな希望の光を見いだすのか——それは映画を見てのお楽しみです。

 K−POPというジャンルはもはや韓国国内で作るポップスを指すのではなく、国籍や人種、性別を超えて気持ちの通じ合う人同士で生み出すサウンドであること。その困難を乗り越えたからこそ、BTSのメンバーらは世界屈指のアーティストになれたこと。その2つを認識できる重要な作品だと言えるでしょう。

Ⓒ2023 BIGHIT MUSIC & HYBE. ALL Rights Reserved. J-HOPE Solo Album『Jack In The Box』の制作と完成までを描いたドキュメンタリー。アメリカの大型音楽フェス「ロラパルーザ」での姿など200日以上の記録が描かれる

(c)2023 BIGHIT MUSIC & HYBE. ALL Rights Reserved.

『j-hope IN THE BOX』
《J-HOPE Solo Album『Jack In The Box』の制作と完成までを描いたドキュメンタリー。アメリカの大型音楽フェス「ロラパルーザ」での姿など200日以上の記録が描かれる》

 J−HOPEが昨年リリースしたソロアルバムの制作風景をはじめ、同作のプロモーション活動やプライベートの様子、そして世界最大のミュージックフェスティバル「ロラパルーザ」(アメリカ・シカゴ)のステージに向けての練習や打ち合わせ、本番を迎えるまでの姿を基本的に一台のカメラで追っていくドキュメンタリー映画です。

 BTSでは明るく社交的な面が際立っている印象があるJ−HOPEですが、この映画ではそうした従来のイメージ通りの部分を見せる一方で、ソロとしてやっていく重圧感、創作する上での苦しみや悩みをためらうことなくさらけ出していきます。彼はヒット曲「MORE」で“名誉と富がすべてじゃない”“僕はもっと欲しいんだ”と切実に訴えました。単に成功したかったわけではなく、アーティスト名の通り、聴き手に“希望”を与えるアーティストでありたい——そのために奮闘する姿と仕事を離れたときの素顔をあわせて見せることで、J−HOPEという人間のすべてを理解してほしいと願ったのでしょう。

 ライブシーンをふんだんに使っているので、劇場で鑑賞すれば盛り上がるのは間違いありません。彼が放つ大きなオーラをスクリーンでしっかりと受け止めてください。

Ⓒ2023 BIGHIT MUSIC & HYBE. ALL Rights Reserved.


SUGAと故・坂本龍一さんとの貴重な対談シーンも収録。(『SUGA: Road to D-DAY』より)

(c)2023 BIGHIT MUSIC & HYBE. ALL Rights Reserved. SUGAと故・坂本龍一さんとの貴重な対談シーンも収録。(『SUGA: Road to D-DAY』より)

●2023年6月23日(金)より1週間限定公開(2作品とも)
入場特典 ※それぞれ数量限定、先着順
第一弾(23〜25日):日本限定オリジナルフォトカード
第二弾(26〜29日):オリジナルフォトカード.

【プロフィール】
まつもとたくお/韓国の音楽事情に詳しく“K-POP番長”と呼ばれる音楽ライター。『ミュージック・マガジン』などに寄稿し、『韓流ぴあ』や『ジャズ批評』、『ハングルッ!ナビ』などで連載を持つ。

※女性セブン2023年7月6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン