実家はピアノ、生け花、民謡三味線の教室というお嬢様育ちだったしのざきさん

トレードマークの“ホクロ”があった時代のしのざきさん。1980年代後半から1990年代前半にかけて、強烈なインパクトで数々のバラエティー番組を席捲した(本人提供)

 すでに事務所のプロフィールにはしのざきさんの名前のほかユニットを組む相方・住吉奈々美さんの名前がある。彼女が現在の事務所に「お世話になろう」と決めたのは、「自分たちのやりたいことを認めてくれたこと」だったという。

「子育てや高齢者の介護をしている全国の人に会いに行きたいという思いがあるんです。介護していると自分の時間を忘れてしまい、親がこれだけ苦しんでいるのに自分は笑ってはいけない。楽しいことをしてはいけないんじゃないかって、思ってしまうんですよね。そんな人たちに私たち『ナナしの娘』を見て少しでも笑ってもらえたらうれしいなって。そのことを話したら、事務所の社長さんが賛同してくれたんです」(しのざきさん)

 54歳の新人となったしのざきさんは、「夢は全国のショッピングモール巡り」と打ち明けた。

「ありがたいお話で、夏にはテレビのロケのお仕事もいただきました。以前のような“ものまね”や奇想天外な笑いが求められているのかもしれないんですけど、自分たちで作った歌を今まで以上に披露するために、時間をかけて全国のショッピングモールを回りたいんです。子育てや介護は、その日になにが起きるかわからないから、事前に予定を入れることもなかなかできません。

 近所のショッピングモールで買い物ついでにふらっと私たちを見てほしい。引退しても覚えていてくださった方たちに感謝して、また挑戦していきたいです。本格的に再始動できることになって、ホクロを取ってよかったです。いい決断でした(笑)」

 強烈な個性でタモリに弄られ、たけしに褒められ、志村けんにツッコまれたしのざきさんの“未知”なる可能性に期待したい。

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