杉良太郎の講演には多くの人が集まった
できないと思われたGOLD世代のダンス企画が好発進し、宮崎さんは「未来まで予測して発案した先読みが素晴らしい」と杉の行動力に触れた。自ら実践して結論を出すことをモットーとする杉。この日の講演でも、
「私は15才から刑務所や老人ホームの慰問を始め、その後も様々な福祉活動を続けていますが、振り返れば、3才の頃に道端で物乞いの人と出会い、『5円でもいいからあげてほしい』と母にお願いしていた。そういう性分なのだと思う。なぜ続けるのかとよく聞かれますが、生まれつきの“福祉病”なんです」
と笑いつつ、揺るぎない信念を語った。
1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟県中越地震を含め、被災地へ支援物資を届けたり、炊き出しも行ってきた。2011年、東日本大震災の被災地で炊き出しを行った際にはメディアから「売名ですか?」と投げかけられ、「売名に決まってるじゃないですか。あなたも売名でいいからやりなさい」と、平然と啖呵を切った杉。そう問われることは日常だそうで、「私はこれだけのことをやってきました。同じことをあなたもすべてしてから、同じ質問をまたしてくれますか?」と切り返し、相手を黙らせてきた。
私財を投じ心を尽くしても、感謝どころか非難を浴びることすらあった。それでも、杉は慈善活動をやめない。
「『人助け』を大ごとに考えていない。大切なのは『人を思うこと』です」
とこれまで語ってきた杉。ここに彼の「なぜ生きるのか」の答えがあるのかもしれない。GOLD世代のダンスプロジェクトもどんどん新しい活動を展開しながら、「健康に生きるとは何か」「長生きする先には何があるのか」答えを見つけていきたい、と今後について展望を語った。
※女性セブン2023年8月3日号