コロナ5類移行後の対応
現在、コロナの大部分はオミクロン株XBBに置き換わり、持病のない50歳以下の人はオミクロン株対応ワクチンを最低1回接種することで、重症化リスクを大幅に下げられるという。その一方、ワクチンの効果は時間とともに弱まるため、65歳以上の高齢者や持病を有する人は、今後も定期的にワクチン接種が必要になる可能性が高いそうだ。
「ワクチンを適切に打っていれば、持病のない50歳以下の方々は、たとえ感染しても市販の解熱剤だけで効果があります。今現在、治療薬は内服が3種、点滴が1種承認され、私は重症化を防ぐエビデンスが最も豊富なパキロビッドを処方しています。薬の飲み合わせで処方できない時や重い腎臓病の場合は別の薬を使うこともあります。ただ繰り返しになりますが、今のところ、感染と重症化予防には治療薬よりも予防効果があるワクチン接種のほうが大切です」
5類移行後、治療薬は自己負担になり、値段もかなり高い。しかし、ワクチンはまだ、公費のまま接種可能だ。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2023年8月4日号
岡秀昭/埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科教授