ジャケット姿を見せたことも
昨秋、20年間所属した芸能事務所を退所した。今後は、上島さんと作った個人事務所で活動していく。
「10年ほど前に会計事務所さんに勧められるまま立ち上げた会社です。会社を畳めば金銭的にはもう少し楽になるのかもしれませんが、子供もおらず、自分たちで建てた家もなく、夫婦で作ったものはこれだけなので、なんとか残したいと思っています」
今後の活動について、展望を聞いた。
「ブランクが長いですし、昔のようにものまね番組に出て営業であちこち回るというのは考えていません。せっかく本を出版する機会をいただいたので、これからは書くお仕事もやっていきたいですね。あとは趣味の釣りや料理、DIYについて、ユーチューブで発信することにも興味があります。
本音を言えば、何もせず家でひざを抱えていたいですが、食べていかなきゃいけないし、支えてくれた周囲のかたがたのためにも、いつまでもしょんぼりしていられません。みなさんのおかげで日常に少しずつ戻れたよ、というのをお見せしていきたいです」
28年間、「竜ちゃんファースト」で生きてきた。予期せぬ形で最期を迎えた夫を「ばかやろう」となじりたい気持ちはある。しかし、広川は懐かしそうに微笑んで語る。
「竜ちゃんにプロポーズされたときの自分に何か伝えるとしたら? 『絶対にやめなさい!』ですね(笑い)。でも、おもしろい結婚生活でしたよ。本当に楽しかったなぁ」
広川は8月10日に書き下ろしエッセイ『竜ちゃんのばかやろう』(KADOKAWA)を出版する。自ら心臓マッサージを施したことなど、上島さんの死をめぐって生々しい描写もある。つらい執筆となったが、「私の大切な旦那様のことをみんなが覚えていてくれるように」という一心で書き上げた。
「竜ちゃんのことや自分の病気で、『人はいつ死ぬかわからない』と痛感しました。私と同世代の女性だと、夫や子供優先の生活を過ごしているかたが多いと思いますが、どうか自分のことももっと大切にしてほしい。
この1年、すごく大変な思いをたくさんしましたが、閉じこもってばかりいないで、『あんなことがあったけど、まあまあいい人生だったな』と最期に思えるような人生にしたいですね。そして、いつか竜ちゃんと再会したとき、『よく頑張ったね』と言ってもらいたいです」
※女性セブン2023年8月17・24日号
主な相談窓口
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