愛息とディズニーランドを訪れた(写真は2022年7月)
空港で警察が出動した「元夫婦のけんか」
前兆はあった。前述の通り、昨年7月に福原は長男を連れて日本に帰国した。その際、江はSNSにこう投稿して元妻を批判した。
《昨日の夜から今まで、電話にも出ない。メッセージも返さない。これが子供への優しさというのか》
この投稿への反響は極めて大きく、「子連れ失踪」「連れ去り」「誘拐」などとセンセーショナルに報じられた。実際、その日に何があったのか──その場を目撃していた江の知人は、彼の行動について違和感を覚えたという。
「台湾では江くんと愛さんは子供たちの共同親権者なので、お互いが平等に子供と接することができます。しかし、それまで江くんは、何度も愛さんから『子供に会いたい』と要求されても、応えてこなかったんです。そこで愛さんは台湾の裁判所に訴え出て、裁判所は江くんに対し、『愛さんに面会させなさい』という履行勧告を出した。だから、愛さんは台湾の空港まで子供たちを迎えにきたんです。
しかし、江くんは子供たちを空港に連れていきながらも、明らかに不機嫌な様子でした。江くんにとっては、子供がいないと仕事にならないですから……」
江はもともとは台湾でも無名の卓球選手だったが、福原と結婚したことを機に一躍有名になり、タレント業で収入を得て、生活できるようになったという。
「江くんは現在、子供たちと暮らす日常をSNSに頻繁に投稿することによって、自分のタレント性を保っています。つまり、『パパタレ』『イクメン』で売っているわけです。それなのに、一時的にせよ、子供たちを愛さんに預けたら商売あがったり、というわけです。だから、裁判所の履行勧告に従いたくなかった。そうした状況のなかで、警察が出動するほどの大きな騒ぎが起きてしまったんです」(前出・江の知人)
昨年7月23日の午後4時、台北市内にある台北松山空港。コロナ禍とはいえ、多くの乗降客の目があるロビーでのことだ。
江の周囲には彼の両親、報道陣らしき記者、2人の子供の姿があった。長男が福原にかけ寄るように抱きつくと、江は長女を抱く腕に力をこめた。異様な雰囲気を感じたのか福原は長男をすぐそばのロータリーに待機する車に乗せるやいなや、今度は長女の元へ向かう。長女に手をのばそうとする福原に江は周囲に響き渡る大声で怒鳴り始めた。
「これは誘拐だ! 日本に連れ帰るのは認められない。長男もすぐに連れ戻せ。そうしなければ警察を呼ぶぞ。あと5分以内だ」