オークランド・アスレチックスの藤浪晋太郎(写真/共同通信社)

藤浪晋太郎と大谷翔平が対決(写真/共同通信社)

 一方、横浜から36才でメジャー移籍した斎藤隆は、37才で159kmを記録して周囲を驚かせました。斎藤は188cmという長身ですが、長身投手が多いアメリカはトレーニングメニューが確立しており、それが考えられる球速アップの理由の1つ。また、マウンドが長身投手に合わせて作られていることも多く、マウンドがフィットして球速が伸びた可能性もあります。藤浪は斎藤以上の長身ですし、先発から中継ぎや抑えに回り、最初からフルパワーで投げられるのも球速アップの大きな理由でしょう」(フリーの野球記者)

 165kmといえば、日本人投手では大谷翔平(エンゼルス)と佐々木朗希(千葉ロッテ)が記録しているが、藤浪の数字はそれに並ぶもの。このままなら大谷と藤浪の同級生対決がプレーオフで実現する可能性もある。現時点では大谷が圧倒的に実績で上回るが、藤浪は高校時代、甲子園春夏連覇を達成し、ポテンシャルでは大谷に決して引けを取らない存在。しかも藤浪は、稀に見る強心臓でも知られている。

「藤浪は急激に制球を乱すクセがあるので、神経質に見られがちですが、メンタルの強さは折り紙付きです。高卒1年目の4月に初勝利を上げたヒーローインタビューでは、『必死のパッチで頑張ります』とコメント。“必死のパッチ”とは関西人が使う“ものすごく一生懸命頑張る”という意味の言葉ですが、大阪桐蔭の先輩である西岡剛の決め台詞をパクり、いきなり大物ぶりを見せつけました。

 それ以外にも、地方球場で完封した際に、『(甲子園とは違って)ヤジが少なくて投げやすかった』と言ったり、虎の顔がプリントされたユニフォームを着用した試合で勝利投手になった際に、『大阪のおばちゃんみたいなユニフォームなんで、しぶとくいってやろうと思って…』とコメントしたり、非常に冗談好きで、サービス精神にも溢れた選手です。つい先日も、ネイビーのTシャツを着た写真に『誰が濃紺(=ノーコン)やねん』というコメントを添えてInstagramに投稿し、ファンを沸かせました。

 ここまで長きにわたって浮き沈みを繰り返せば、並の神経ならとっくに音を上げているでしょうが、藤浪は良くも悪くもマイペースで、前向きな発言を繰り返してきた。その能天気さに阪神ファンはイライラさせられましたが、メジャーに渡り、さらにトレードまでされた地で自己MAXの球速を記録したということは、いよいよ彼がゾーンに入ったと見て良いでしょう。もともと日本時代から藤浪は、『ストライクさえ入ればまず打たれない』と言われて続けてきた投手。これから終盤戦やポストシーズンで快投を続ければ、大谷との対決は大きな注目を集めることになるでしょう」(同上)

 強運の男“フジ”が、“ショウヘイ”より先にワールドシリーズで投げる可能性は十分にありそうだ。

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