国際情報

ハワイ・マウイ山火事「炎を逃れて海に飛び込んだ」楽園の悲劇 前田亘輝&飯島直子が結婚式を挙げた教会も焼失

(写真/アフロ)

ラハイナの市街地はまるで爆撃を受けたかのような惨状だ(写真/アフロ)

 米ハワイ・マウイ島の西岸地区は、アメリカで最も美しいビーチやハワイ王国時代の情緒ある歴史的建造物、豊かな緑と、透き通る海の青と、世界一といわれる夕陽の輝きで「地上の楽園」と言い表されてきた。そんな南国のカラフルな街並みは、たった一夜にしてすべて灰色に変わった。

「何もかもが、失われてしまった」

 マウイ郡長は8月10日、会見でそう頭を抱えた。8日に発生した山火事は10日までに、王国時代の古都で観光地のラハイナの市街地を焼き尽くした。郡当局発表の死者数は8月15日時点で100人に迫り、全米史上最悪の山火事被害となった。

「ラハイナ周辺は電気もインターネットも通じない状況が続き、約1300人が安否不明。マウイ島には数百人の在留邦人がいるが、通信状況が悪く、島西部在住で連絡が取れていない人がいます。ハワイ州知事が記者団に『(死者数は)もっと多くなっていくと思う。心の準備をしてもらいたい』と述べるほど状況は深刻です」(現地で取材する記者)

 山火事の発生が確認されたのは8日早朝6時、ラハイナの海岸から2km離れたところだった。午後には市街地に火の手が迫ったとされる。ハリケーンの影響でマウイ島では東から秒速30mの強風が吹き、島中心部の山地を越えて暖かく乾燥した「おろし風」となり、西海岸のラハイナに吹き下ろした。それがラハイナの市街地を一気に襲った炎の渦の原因とみられている。

「火災発生時の警報サイレンは作動せず、停電や通信障害もあり、住民の避難が遅れた。ある住民は、焦げたようなにおいを感じて自宅の窓から外をのぞくと家の100m先まで炎と黒煙が迫っていて、そのまま走って逃げたそうです」(前出・現地記者)

 山側から迫る火柱に、街はパニック状態。火の手に早く気づいた人は車を飛ばして脱出できたが、そのうちに幹線道路は大渋滞を起こし、車列が次々に炎にのみ込まれた。すべての通信が遮断され、黒煙に包まれるとどの方角から炎が迫るかも定かでなくなり、「炎に向かって突っ込んでいく車もあった」(住民)という。

「火と煙に追われ、山側に逃げ場がなかった人は、岸壁や砂浜から次々に海に飛び込んだようです。火の粉は避けられたものの、夜になって潮が満ちてくると、岸壁に叩きつけられたり、波にさらわれたり、低体温症で意識を失ったり、海で命を落とした人も少なくなかったようです」(前出・現地記者)

ハワイ諸島

ハワイ諸島

 ラハイナの街の入り口に立つホーリー・イノセンツ教会が建てられたのは19世紀後半で、裏手には美しい海が広がる。1997年9月、TUBEの前田亘輝(58才)と飯島直子(55才)が結婚式を挙げたことで知られるこの美しい教会も焼け落ちてしまった。

「マウイ島は、ハワイ行政の中心地ワイキキがあるオアフ島から飛行機で30分ほど。米本土のアメリカ人にファンが多く、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏が足繁く通い、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏もラハイナの近くに豪邸を持っています。日本人にも縁が深く、木村拓哉(50才)はサーフィンのために島北西部を訪れ、道端ジェシカ(38才)と元F1レーサーのジェンソン・バトン(43才)が結婚式を挙げたのもこの島でした。ユニクロ社長の柳井正氏は島の名門ゴルフ場の経営にかかわっているといいます」(ハワイ在住の日本人コーディネーター)

 今回の山火事被害には多くの著名人が支援活動を表明。ハワイ在住のモデル長谷川潤(37才)はワイキキの州議会議事堂で支援物資を仕分け・梱包するボランティアに参加したことをSNSで報告した。迅速な救助活動と、一日も早い復興のため、私たちにもできることを考えたい。

※女性セブン2023年8月31日号

飯島直子と前田亘輝の結婚式の様子(1997年9月)

飯島直子と前田亘輝の結婚式の様子(1997年9月)

関連記事

トピックス

多くの外国人観光客などが渋谷のハロウィンを楽しんだ
《渋谷ハロウィン2025》「大麻の匂いがして……」土砂降り&厳戒態勢で“地下”や“クラブ”がホットスポット化、大通りは“ボヤ騒ぎ”で一時騒然
NEWSポストセブン
声優高槻かなこ。舞台や歌唱、配信など多岐にわたる活躍を見せる
【独占告白】声優・高槻かなこが語る「インド人との国際結婚」の真相 SNS上での「デマ情報拡散」や見知らぬ“足跡”に恐怖
NEWSポストセブン
人気キャラが出現するなど盛り上がりを見せたが、消防車が出動の場面も
渋谷のクラブで「いつでも女の子に(クスリ)混ぜますよ」と…警察の本気警備に“センター街離れ”で路上からクラブへ《渋谷ハロウィン2025ルポ》
NEWSポストセブン
クマによる被害
「走って逃げたら追い越され、正面から顔を…」「頭の肉が裂け頭蓋骨が見えた」北秋田市でクマに襲われた男性(68)が明かした被害の一部始終《考え方を変えないと被害は増える》
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「日本ではあまりパートナーは目立たない方がいい」高市早苗総理の夫婦の在り方、夫・山本拓氏は“ステルス旦那”発言 「帰ってきたら掃除をして入浴介助」総理が担う介護の壮絶な状況 
女性セブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
《コォーってすごい声を出して頭をかじってくる》住宅地に出没するツキノワグマの恐怖「顔面を集中的に狙う」「1日6人を無差別に襲撃」熊の“おとなしくて怖がり”説はすでに崩壊
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)千葉県の工場でアルバイトをしていた
「肌が綺麗で、年齢より若く見える子」ホテルで交際相手の11歳年下ネパール留学生を殺害した浅香真美容疑者(32)は実家住みで夜勤アルバイト「元公務員の父と温厚な母と立派な家」
NEWSポストセブン
アメリカ・オハイオ州のクリーブランドで5歳の少女が意識不明の状態で発見された(被害者の母親のFacebook /オハイオ州の街並みはサンプルです)
【全米が震撼】「髪の毛を抜かれ、口や陰部に棒を突っ込まれた」5歳の少女の母親が訴えた9歳と10歳の加害者による残虐な犯行、少年司法に対しオンライン署名が広がる
NEWSポストセブン