生成AIを活用したエントリーシート作成サービス「ESの達人」の画面[ワンキャリア提供](時事通信フォト)
誤りがあり個人情報流出リスクも
一方、就活に生成AIを使うことにはリスクもある。たとえばChatGPT無料版は2021年9月までの情報で学習しているため、それ以降の最新情報に対応していない。固有名詞や事実関係などを聞いても、完全な誤りを堂々と答えることも多い。
エントリーシートにおいても、たとえば事実ではないことを捏造されてしまう可能性がある。そのまま提出した場合、面接で質問されたときに整合性がとれなくなるなどのリスクが考えられるだろう。
また、AIは一見それらしい文章を書くことは得意だが、そのままでは入社に対する熱意を伝えたり、他の就活生との差異化は難しい可能性がある。
あくまでAIではたたき台を作るだけにして、そのまま提出はしないこと。必ず出来上がりを確認したり自分の文章で書き直すことで、このようなリスクは防げるだろう。
生成AI全般に言えることだが、入力したものから学習する仕組みのため、個人情報や機密情報を入力すると流出のリスクがある。そのようなものは入力しないことを徹底することも大切だろう。
AI就活支援サービスも人気
現時点で生成AIに慣れておらず、うまく使いこなせないというのであれば、無理に使う必要はない。しかし、使うべき部分を自ら判断し、使った結果に責任を持ち、必ず確認するようにすれば、良い結果につながるだろう。
AIを使った就活支援サービスも現れている。たとえば株式会社ワンキャリアが運営するエントリーシート自動生成サービス「ESの達人」は、ESに入れたい内容を選択していくだけでESが約30秒で作成できる。できあがったものを元に自らのエピソードや具体例を入れて文章を整えれば完成というわけだ。サービススタートから一ヶ月で1万人以上が利用したという。その他、LINEでESの添削、作成ができる「内定くんAI」(株式会社内定くん運営)もユーザー数3万人を超えている。
AIによってなくなる仕事もあり、そのようなことも視野に入れて就活すべき時代となっている。パナソニックのように、既に全社員向けに生成AIを導入した企業もあり、そのような企業に入社した場合は当然使うことになる。AIを知り、使っておくことは少なくとも不利にはならず、就活においても大きなメリットとなるだろう。最早、リスクに注意しながらうまく活用すべき時代となっているのだ。
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