血圧にも腰にも影響がある「日常生活」の注意点

血圧にも腰にも影響がある「日常生活」の注意点

 どちらのストレッチも短期間で効果が出るわけではないので、じっくり続けることが大事だ。さらに、日常生活のNG動作を避けることでも腰痛・高血圧の改善が期待できるという。前出・戸田医師が言う。

「就寝中は血流が悪くなって腰の筋肉が硬くなっています。起床時にはいきなり起き上がるのではなく、寝たまま両ひざを抱えるなどして腰の筋肉を伸ばしてからゆっくり起きるようにしましょう。痛みのあるほうの腰を上にした横向きの姿勢から起き上がると、動作が楽になることがあります」

 渡辺医師もこう語る。

「血圧改善の観点からも、朝はゆっくり起き上がることが大事。高血圧の人は、寝る姿勢も横向きがいい。腎臓への血流量が増え、降圧が期待できるほか、高血圧と密接な関係がある睡眠時無呼吸症候群を予防できます」

 モノを持ち上げる時にも注意したい。

「腰への負担が大きい前屈みの姿勢は避け、自分から荷物の高さまで腰を落として持ち上げるのがポイント。運ぶ時は荷物を胸にピッタリつけると負荷が分散されます」(戸田医師)

 その際、息を止めてふん張ることは血圧の急上昇を招くため、「重い」と感じた場合は他者の助けを得ることも考えたい。

 入浴は、腰の痛みを和らげる絶好の機会だ。

「ぬるめのお湯に15分浸かることで、硬くなった筋肉がほぐれて痛みの軽減に役立ちます」(同前)

 渡辺医師も湯の温度をポイントに挙げる。

「43℃以上のお湯は血圧上昇を招くため、ぬるめのお湯にしてください。心臓に不安がある人は水圧による負担を避けるために、半身浴が良い」

 高血圧も腰痛も、中年以降の厄介な身体の悩み。一石二鳥のストレッチはありがたい。

※週刊ポスト2023年9月15・22日号

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