阿部寛

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 しかし、配信で十分な収入が得られていない現状では、他の収入源が必要。その点、『VIVANT』は自局系動画配信サービス『U-NEXT』のランキングトップを独走して有料会員アップに貢献していますし、終了後もしばらくの間は退会の抑制力となりそうです。

 さらに、公式キャラクター「ヴィヴァンちゃん」、毎週さまざまなデザインが発売されるTシャツ、ここまで第9弾にわたる別班饅頭などのオリジナルグッズ。コンビニ「NewDays」とコラボした赤飯おこわ、ノベライズの上・下巻、リアルと配信でチケットが売れるイベント「ファンミーティング」、JTBとコラボした「ドラマロケ地&島根満喫ツアー」などを次々に販売。放送でも本編だけでなく、出演者が番宣出演した番組の視聴率アップに貢献しているほか、今後シリーズ化や映画化すればさらなる収入が期待できるでしょう。

 放送中、「1話1億円と噂される制作費を回収できるのか」という報道もありましたが、「やはりTBSの日曜劇場は違う」というブランディングや今後への期待感も含め、さまざまな収入源や未来の可能性を踏まえると、制作費に見合う結果が得られているのではないでしょうか。これまでのドラマシーンでは見られなかった巨額かつ先行的な予算の使い方であり、「民放各局の連ドラも時には『VIVANT』のような大勝負を仕掛けるべき」という教訓をもたらしたようにも見えます。

 ここまで挙げてきた5つのポイントで共通しているのは、スタッフとキャストの勇気ある冒険。『VIVANT』のキャッチコピーにも書かれた“冒険”の楽しさと緊張感が人々を引きつけているのではないでしょうか。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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