「最近はあまり言わない指導者が多い」

 前チームの遊撃手・緒方漣は、先のU-18W杯で大会MVPに輝いた。緒方の活躍を受け、村田監督は日本代表を指揮した馬淵史郎監督から「監督と選手の信頼関係があればバントは決まるよ」「緒方を育ててくれてありがとう」という言葉を贈られ、嬉しかったと明かした。

 しかし、勝利した試合の直後に、ロッカールームの外に響き渡るほど声を荒らげるような監督を選手は信頼することができるのだろうか。報道陣から試合後の叱責が「だいぶ激しかったが」と水を向けられた村田監督はこう応じた。

「ダメなことはダメと言わないと。勝った時の反省は一番、効果がある。負けたらあんなことはしませんから。声を荒らげるというか、それぐらい私も本気で選手と向き合っている。最近はあまり言わない指導者が多いと思うので」

 この夏の甲子園ではエンジョイ・ベースボールを標榜する同じ神奈川の慶應義塾が日本一に輝いた。森林貴彦監督(50)を「森林さん」と呼び、常に笑顔に溢れるライバルとは対極の空気がこの日の試合後の横浜には包まれていた。

「慶應さんには慶應さんのやり方があるし、うちにうちのやり方がある。とにかく練習、練習。うちは練習を2時間で終えるとか、そういうことはない。できないなら、できるまで練習することを大事にしている」(村田監督)

 様々なやり方の野球部があって当然だが、この日の村田監督の言動は許容されるものなのか。数日後、筆者は横浜高校に、9月16日の試合後に取材した内容をまとめ、「ハラスメント行為ではないのか」と質問状を送った。翌日になって館山和央教頭が対応した。

「学校としては問題がないと考えています。そもそも、指摘されている村田監督の言動をどうやって確認したんですか」

 もちろん、ロッカールーム内という密室で起きた出来事だが、取材のためにすぐ近くで待機していた報道陣や周辺にいた他校の関係者の耳にも届く村田監督の怒声だった。館山教頭はロッカーで行われていたのは、「はっきり言うと、ひとつのミーティング」だとして筆者が録音したことを咎めたが、第三者がいる球場であれほど激しく叱責するならば、学校のグラウンドなど閉じた場ではどんなやり取りがあるのかの危惧もある。激しい物音を立てながら「頭がおかしい」と怒鳴るのが正しいミーティングなのだろうか。

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