9月27日、「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2020」のアワードセレモニーに登壇したHIRO(時事通信フォト)

「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2020」のアワードセレモニーに登壇したHIRO(9月27日撮影、時事通信フォト)

 さらに、今回のHIROの社長復帰には「別のテーマがあった」と語るのは、ベテラン芸能記者だ。

「ジャニーズ事務所の件だけではなく、あらゆる会社や団体にとって近年、コンプライアンス(法令遵守)は重大なテーマになっています。とくに、世界に進出し、グローバル・スタンダードのなかでビジネスチャンスを掴もうとする企業にとっては、国内だけではなく世界中から厳しい目で見られることになるだけに、コンプライアンスの強化は喫緊の課題。HIROの社長復帰とともに、LDHに新たに加わった社外取締役や監査役のメンバーを見ると、LDHが危機意識を持って取り組んでいることがよくわかります」(ベテラン芸能記者)

 実際、HIRO社長は、就任表明で「今の世の中に合った組織を作り、強い組織に生まれ変われるように、ここ数年はコンプライアンスやガバナンスを徹底的に強化し、様々な準備をしてきました」とコメント。その通りに、重厚な「社外取締役」「監査役」を迎えていた。

 まず、ひと足先に3月27日に就任した宮橋圭祐社外取締役は、警視庁の目黒署や新宿署の署長を歴任して、現在は防犯会社セコムの顧問も兼ねる大物警察OB。10月1日から就任する永嶋悦子社外取締役も、東京ディズニーリゾートの経営会社オリエンタルランドの元執行役員という実力者だ。

 同日から新任に就く監査役も豪華で、新道貴文氏は鳥飼総合法律事務所の弁護士。真砂靖氏は元財務事務次官でありながら弁護士でもあり、日本テレビの社外取締役と読売巨人軍、読売新聞グループ本社の監査役なども兼務する超大物である。

 K-POPグループや、JO1やBE:FIRSTといったオーディション番組発のグループも、続々と生まれ始めている状況。「LDHは、激しく揺れるジャニーズの背中を追いかけながら、新興組には追われる立場。今回の人事は、攻めの経営に転じるのろしというわけです」(前出・芸能関係者)

 LDHは今回の人事改革により、所属タレントが安心して活動し、ファンも安心して応援できる体制づくりに精力を注いでいることを、社の内外に示したのだろう。

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