戸郷翔征(時事通信フォト)
「戸郷の次」の育成が急務
エースのジョーとしてファンに親しまれ、V9前半の巨人投手陣を支えた城之内邦雄氏は「投手の育成法」を疑問視する。
「昨年、巨人には初勝利を挙げたピッチャーが8人いましたが、伸ばしてやることができなかった。投手陣には故障者が多く、キャンプで投げ込みや走り込みをやったのかも疑問です。川上監督はノーアウトから四球を出すと『歩かせるくらいなら打たれろ』とカミナリを落としましたが、今の投手陣はノーアウトから簡単に先頭打者を歩かせていることも気になります。
ピッチャーを育てるのはキャッチャーとコーチの役目ですが、それができていないのでしょう。戸郷翔征(23)に続く投手の育成が急務です」
今年の原巨人は、昨年まで一軍投手チーフコーチを務めた桑田真澄氏(55)をファーム総監督に配置転換したり、大久保博元氏(56)を一軍打撃チーフコーチに招聘するなど、コーチングスタッフ総勢20人の大刷新を行なった。
森氏はこの方針について「内部のことはわからないが」としたうえでこう語る。
「昨年のようにBクラスになって総入れ替えすると、チームに不協和音が生まれます。コーチ陣が監督の顔色ばかり見ていないか心配です。監督とコーチは一蓮托生なんです。僕は西武時代、コーチの意見を聞いたし、相談もしました。首脳陣がギクシャクしていては、長いペナントレースを戦い抜けない」
選手の育成や起用法だけでなく、コーチやスタッフまで含めてどんな“阿部政権”を築くかがカギとなる。
※週刊ポスト2023年10月20日号