国際情報

イスラエルとハマスが衝突 50年ぶりの“戦争状態”、命を奪われる一般市民たち 悲しみの連鎖はいつ終わるのか

(写真/アフロ)

ガザ地区の死者の4割は子供だという(写真/アフロ)

 事態は悪化する一方だ。ガザとイスラエル、双方の死者があわせて6000人を超え、イスラエルが受けた攻撃でこれほどの被害が出たのは、1973年の「第4次中東戦争」以来だという。

 10月7日、ガザ地区を包囲するフェンスを破り、イスラム組織のハマスがイスラエル領内に侵入。奇襲攻撃によって約1400人が死亡し、約200人が「人間の盾」として連れ去られた。

 イスラエル側はただちに、ガザを空爆した。翌日には、子供20人を含む400人以上のパレスチナ人が死亡。その後も空爆は続いている。イスラエルのネタニヤフ首相が「戦争状態にある」と宣言した通り、奇襲から2週間以上が過ぎても停戦の兆しは見えず、双方の死傷者は増えるばかりだ。

 そのほとんどは、女性や子供など一般市民である。16日にはハマスのSNSで、イスラエル国籍の女性の人質が「早くここから出してください」と訴える様子を撮影した動画が公開された。22日に、ガザ地区の保健当局が発表した情報によれば、パレスチナ人の死者数は4600人を超え、その4割近くが子供だという。

 1948年の建国以来、この地では紛争が絶えない。ユダヤ人(教徒)が主導権を持つイスラエルという国家の枠組みの中に、イスラム教徒が暮らすパレスチナ自治区があるからだ。これまで両者の間では4度の戦争が起きたが、いずれもイスラエルが勝利を収めた。奇襲攻撃を仕掛けた10月は、1973年の第4次中東戦争開始から50年の節目となるタイミングだった。悲しみの連鎖はいつ終わるのだろうか。

●ロンドンでは、人質解放を求める抗議運動が

(写真/アフロ)

(写真/アフロ)

 7日の奇襲攻撃の際、ハマスは約200人をガザ地区に誘拐した。だが10月24日現在、解放されたのは4人のみ。ロンドンでは、人質解放を求める抗議活動も(10月22日)。

●戦闘のため帰国する兵士を空港で鼓舞する女性たち

 ベン・グリオン国際空港では、イスラエル人の女性たちが帰国する男性たちを歓迎していた。イスラエル軍は30万人に及ぶ予備役を招集し、地上攻撃の準備を進めているとされる。

●難民キャンプを爆破され、がれきの上を逃げる

(写真/GettyImages)

(写真/GettyImages)

 イスラエル軍はガザ地区のブレイジ難民キャンプを攻撃し、潜伏していたハマスの最高司令官を殺害した。子供を抱えたパレスチナ人の女性ががれきの上をさまよう(10月17日)。

※女性セブン2023年11月9日号

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン