ライフ

漢方薬、自然由来の薬でも副作用はある 病院で処方してもらうのがベスト、市販の漢方薬なら「満量処方」の表記があるものを

(写真/PIXTA)

漢方薬は病院で処方してもらおう(写真/PIXTA)

 病気に罹ったり体調を崩したりした時に服用する薬だが、その副作用には注意しなければならない。古代からの“超ロングセラーの薬”である「漢方薬」は安心だというイメージはあるが、実際は漢方薬なら安心かというと、そうとも限らない。長く用いられてきた自然由来の薬だからといって副作用がないわけではなく、そのほかの薬と同様、長期間のみ続けたり、過剰摂取すれば健康被害のリスクもあることは覚えておきたい。薬剤師の三上彰貴子さんは言う。

「多くの漢方薬には『甘草』という成分が含まれており、許容上限は1日7.5〜8g。これを超えて過剰摂取すると血中のカリウム濃度が低下し、手足がしびれたりだるくなったりする『偽アルドステロン症』を発症する恐れがあります」(三上さん・以下同)

 三上さんは、漢方薬こそ服用に注意すべきと続ける。

「漢方には『証』と呼ばれる、西洋医学とは異なる診断基準があり、体質や体格、症状の出方など、全身を細かく診察して薬を処方します。例えば同じ『かぜ』でも、もともと体格ががっしりしていて元気がある人と、虚弱体質で気力も減退している人とでは、処方される漢方薬が異なります。

 葛根湯の医療用の添付文書には“比較的体力がある人”と書かれています。つまり、かぜをひいて体力も気力もなくなっているときにのむと、逆に体力が奪われてしまう。高齢などで虚弱な人や胃腸の弱い人なら葛根湯よりも『香蘇散』の方がいいかもしれません」

 自分の体に合ったものを病院で処方してもらうのがベストだが、市販の漢方薬を探すなら「満量処方」と書いてあるものを選ぼう。銀座薬局代表で薬剤師の長澤育弘さんは言う。

「漢方薬は古くから“レシピ”が決まっており、市販薬のうち『減量処方』と書いてあるものは、副作用などを抑えるためにそこから量を減らしたり、逆に増やしたりしているため、期待した効き目が得られないケースも考えられる。一方『満量処方』ならレシピ通りなので、効果が得やすいと言えます。

 また、漢方薬はお湯でのまなければいけないと思っている人もいますが、いまの漢方薬はどれもフリーズドライの顆粒状なので、冷たい水で服用しても問題ありません。のむタイミングは重要で、食事の30分前がベスト。食後にのむと効果が3分の1近くにまで落ちてしまいます」(長澤さん)

※女性セブン2023年11月16日号

市販の「漢方薬」正しいのみ方

市販の「漢方薬」正しいのみ方

いますぐアップデートしたい薬のウソ常識

いますぐアップデートしたい薬のウソ常識

日本人のリアルなサプリ事情

日本人のリアルなサプリ事情

日本人のリアルなサプリ事情

日本人のリアルなサプリ事情

サプリメントのウソ常識

サプリメントのウソ常識

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト